こんにちは、Makuake編集部です。
今回は実際にMakuakeに挑戦した実行者にご登場いただき、プロジェクトの裏話やこれからのことについて、対談形式でお届けするMakuake実行者対談の第三弾です。今回対談させていただいたのは、次世代乗り物メーカー glafit株式会社 代表の鳴海禎造さんです。
※大阪拠点の松岡とZoomにて対談いただきました
約3年前に1億2800万円もの応援購入総額を集めた「HYBRID BIKE GFR」から、現在プロジェクト実施中の「X-SCOOTER LOM」に至るglafit社のモノづくりについて、株式会社マクアケ キュレーター本部 地方事業部 マネージャーであり、glafit社の担当キュレーターを務める松岡と対談をさせていただきました。
松岡:「X-SCOOTER LOM」非常に話題ですね!毎日のようにメディアに取り上げられているのを拝見します。
鳴海:ありがとうございます、お蔭様で既に1,000名を超える方に応援購入いただけています(2020年6月30日現在)。「X-SCOOTER LOM」では、3年前に発表した「HYBRID BIKE GFR」で表現しきれなかった、よりワクワクした乗り物体験をご提供させて頂いています。「電動キックボードみたいな感じかな」と思って乗ると、その想像を超える驚きがあると思います。
松岡:Makuakeアナリティクス(※1)を見ていると、前回の「HYBRID BIKE GFR」に比べて、女性や若年層のサポーターが増えていますよね。
鳴海:まさにそれらの層に対しターゲットを広げることを狙っていたので、世の中がそれをキャッチしてくれたと思うと嬉しいです。リンクできている感覚が持てます。
※1 Makuakeアナリティクス:実行者が自身のプロジェクトページのPV数、サポーターの流入元、属性(性別、年齢、居住地、職業)などを確認することが出来るツール
松岡:実際にこうした新しい製品を作る際は、どのように発想していかれるんですか?
鳴海:「自分たちが欲しいモノ」から着想していて、常日頃から多くのアイデアをストックしています。社内のインフラにそうしたアイデアを投稿する場所を作り、思いついたら、とりあえずそこに投稿するんです。「ビビビッ」とくるような良いアイデアの時はみんな同じ反応で「いいね!」と盛り上がるのですが、逆にダメな時はシーン・・・として反応が返ってこないので「あ、ダメなんだな」と判断します。
そうして、ワクワクする“想い軸”で発想したアイデアについて、次は冷静に「自分たちが作る意味はあるか?」と独自性について考えます。例えば、自動運転車は明確な社会的ニーズがありますが、TOYOTAが作ったものと、僕たちのような中小企業が作ったもの、どちらが欲しいかと訊かれたら多くの人がTOYOTAと答えますよね。そういうアイデアは僕たちがやるべきではないと判断しています。
そして最後に経済性を考えます。「幾らだったら買うか?」と消費者目線で考えて、その価格で作れるかどうか、事業として成立するかどうかを検討します。
「社会性・独自性・経済性」この3つが揃うかどうかで新製品のアイデアを見極めています。「X-SCOOTER LOM」も、社内インフラのアイデアストックから生まれました。
松岡:なるほど。自分たちの持っている技術から発想するのではなく、自分たちが欲しいと思えるようなワクワクするものを作る、想いから発想しているというのがglafitさんらしさですよね。
そうして発想したアイデアを形にする際に、Makuakeをどう活用いただいているのでしょうか?
鳴海:Makuakeは開発してきたプロダクトの社会性・独自性・経済性、全項目の最終チェックだと捉えています。社内で考えてきたことが世の中のニーズとピッタリ合うかどうかを、市場に問うことができる。
単にアイデアに対して「いいね!」と言ってもらえるかどうかは、SNSで確かめられます。しかしビジネスなので、大事なのはそのアイデアに対して本当にお金を出してもらえるかどうか。そこは、Makuakeじゃないと確かめられないんですよね。それ以外は信用できないです。
松岡:Makuakeのサポーターは実行者さんのアイデアに実際にお金を払っている人たちですからね。そうした人たちの意見を直に拾っていただき、製品に反映してもらうことで、より世の中のニーズを捉えたモノづくりをしていただけます。
新製品開発は、試作品を作ったり、売れるかわからない在庫を抱えたりと、メーカーの負担が大きいんですよね。Makuakeは応援購入という世界観を打ち出しているんですが、そうしたメーカーの負担の一部を、その製品が欲しいと応援購入するサポーターが肩代わりできる仕組みでもあると僕は解釈しています。すぐに手に入る訳ではない新製品に対して、先にお金を出し製品ができていく過程を一緒に見守りながら完成を待つという応援購入がより浸透すれば、メーカーももっと思い切った新製品開発ができるようになるのではと思います。
松岡:新型コロナウィルス対策で三密を避けるという流れがある中で、より「X-SCOOTER LOM」や「HYBRID BIKE GFR」のニーズが顕在化してきているかと思うのですが、手ごたえや影響はありますか?
鳴海:パーソナルモビリティの需要は増していますね。特に中国は顕著です。現地社員も移動に地下鉄などは極力使わなくなったと聞いています。
考えていかなくてはいけないのが、オンラインでの購入体験をどう高めるかということです。何かを購入する際は、店舗で吟味してネットで購入する、という流れが主流だったかと思うのですが、コロナでリアルが寸断されてしまっている今はネット上でその体験を補っていかなくてはならないなと。
glafitではいち早くチャットを導入しました。会話の中でお客様のニーズを拾ったり、困りごとに気づけたり、更にその延長線上に購買につながるような導線を用意したりと改善にも繋げられています。
しかし一方でオンラインでのコミュニケーションの難しさも感じています。ちょっとした表現の違いで大きな誤解を与えてしまい、それが炎上に繋がってしまう恐さもあります。それくらい、購入者側も気持ちが入っているということだと思います。なので、より丁寧なコミュニケーションを心掛ける必要を感じています。
Makuakeの活動レポートも、一言一句丁寧に作成しています。松岡さんにもよく相談に乗っていただいていますよね。
松岡:活動レポートに対するサポーターからのコメントも含めて応援購入だと考えています。安心してコミュニケーションを取っていただけるように、担当キュレーターとしてお手伝いさせていただいてます。
▲活レポのコメント欄
鳴海:また実験的に、購入前にレンタルをお送りし、乗り心地を確かめていただくサービスも始めていて、こちらも反響が大きいです。
ウィンドウショッピングという言葉があった通り、購入体験そのものを楽しみたいという潜在的な消費者ニーズはオンラインでも依然としてあると思います。
大量生産大量消費の時代ではないからこそ、購入を決意するまでの工程の楽しみも提供していきたいですね。その方がHappyですから。
松岡:「HYBRID BIKE GFR」「X-SCOOTER LOM」と作られてきて、glafit社の次のプロダクトはどんなものだろうと想像するだけでワクワクするのですが、今後の展望を教えていただけますか?
鳴海:ありがとうございます。今後も型にはまらず、「自分たちが欲しいと思うもの」を起点にモノづくりをしていきたいと思います。
実は裏テーマとして「日本全国テーマパーク化」計画というものを掲げています(笑)。単なる移動を楽しくできたら、どこを走っていてもテーマパークのようななワクワクを提供していけるんじゃないかって。そういった想いをもって、モノづくりに取り組んでいます。
松岡:glafitサイトにも「移動を、タノシメ!」というメッセージがありますよね。ワクワクするような乗り物を作るというのは、起業当時から志していたことなんですか?
鳴海:もともとはカー用品の企画製造販売を事業の主軸にしていたのですが、ビジネスの恩師である大久保秀夫さんが主催されている起業塾で企業の在り方というものを学び、そこで打ち立てたのが100年後も掲げられる「日本を代表する次世代乗り物メーカーに」というビジョンでした。「社会性、独自性、経済性の順で考える」というアイデアの見極め方も大久保さんから学んだことです。「HYBRID BIKE GFR」のアイデアも、「100年ビジョンに繋がる次の一手を考える」というその塾の卒業課題から生まれました。そしてそれをどう世の中に出して行くかという段階で、Makuakeにご相談させていただいたんですよね。
▲3年前にMakuakeを実施した「HYBRID BIKE GFR」
松岡:鳴海さんが初めて試作品の「HYBRID BIKE GFR」を持ってオフィスにいらしてくださった時、役員含め皆感銘を受けたんです。「こんな熱い方の夢を実現できなかったら、Makuakeをやっている意味がない」と。全社一丸となって、glafitのプロジェクトを応援させていただきました。
鳴海:そう言っていただけて本当にありがたいです。マクアケの中山社長にも「夢を実現させるまでご一緒します」と仰っていただいたことを覚えています。Makuakeを実施すると、自分のチームメンバーが一気に増えたような気がしてとても心強いんです。
松岡:鳴海さんの巻き込み力が圧倒的なんです。僕自身、「HYBRID BIKE GFR」を担当させていただいてから「キュレーターとしての姿勢が変わった」と言われるようになりました。鳴海さんと一緒にプロジェクトを作り上げて、世の中に広められたことが僕にとって大きな自信になったんだと思います。街中でglafitを見かけると、ちょっとずつ世の中を良くしていけている実感があってとても嬉しいです。
鳴海:松岡さんには担当していただいてもう4年目のお付き合いになりますが、僕たちのこともよくご理解くださっていて頼もしいです。次のプロダクトを出す時も、ぜひお願いします。
松岡:こちらこそです。これからも、応援させてください!
◎glafit株式会社 代表取締役 鳴海禎造
1980年和歌山市生まれ。高校在学中の頃から洋服の転売ビジネスを開始。2003年にカーショップ「RMガレージ」、2007年に自動車輸出業「FINE TRADING JAPAN」を起業。その後、中国などで生産管理業を営む現地法人を設立し、業務を拡大。2012年に立ち上げたメーカーブランド「glafit」の電動バイク「HYBRID BIKE GFR」がMakuakeにて2017年当時国内記録となる1億2800万円の応援購入額を集める。その後ヤマハ発動機やパナソニックとの提携を経て、2020年1月に新プロダクト「X-SCOOTER LOM」を発表、現在Makuakeにてプロジェクト実施中。
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