設定した目標金額を達成し、プロジェクトを成功へと盛り上げていくためには、どのようにプロジェクトをアピールしていくかの宣伝方法の検討も欠かせません。
当記事では、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」や、その他の一般的なクラウドファンディングでプロジェクトを実施するにあたっての宣伝方法のポイントや具体策、注意点について解説します。
プロジェクトの企画から実際に商品が手元に届くまでの期間において、宣伝を行うべき機会は意外と多く訪れます。どんなに素敵な内容でも、人に知ってもらわなくてはその魅力が伝わることはありません。しっかりとプロジェクトの宣伝を成功させるためのポイントを4点紹介します。
プロジェクトの宣伝・運営には、人手や時間、お金などのリソースが必要です。
例えばプロジェクト実施中に、プロジェクト以外の事業が忙しくなってしまい思っていたよりも人手が割けない、SNSの運用が疎かになってしまう、顧客からの問い合わせの対応に時間がかかってしまうなどの事態が起きてしまうと、伸びるプロジェクトも中途半端に終わってしまうことに。
プロジェクトを大きく盛り上げながら着地点を伸ばしていくために、さまざまなリソースを把握した上でプロジェクトの企画に取り組みましょう。
クラウドファンディングのサービスでは、プロジェクト公開から当日〜3日の、いわゆる「初速期」が重要とされています。
初速期にどれだけの人がページを閲覧し、実際に購入まで至るかが最終着地金額に大きな影響を与えます。
理由は、公開から短期間で目標金額を達成し盛り上がりを見せると、その盛り上がりに興味をもったユーザーのさらなる流入が生まれ、着地金額がより伸びる可能性があるためです。
このように「行列ができているお店に自分も並びたくなる心理効果」や「すでに話題・流行になっている人気商品を自分も買いたくなる心理現象」のことを経済学の用語で「バンドワゴン効果」と呼びます。
目標達成の勢いが強ければ強いほど、サイト内の注目されやすい位置に取り上げられたり、ランキングやメルマガになどに掲載されたりして、その結果、より多くのユーザーの流入を生み出すことが可能になります。そのため、スタートしたらすぐに多くの人で賑わう状況を作っておくことが大切です。
目標達成するためには日予算でどれくらいの購入人数が必要か、その人数が購入するためにはどれくらいの人数にプロジェクト情報をリーチさせる必要があるか、などを事前に確認しておくようにしましょう。
プロジェクト公開直後は支援が集まりやすいものの、日々多くのプロジェクトが公開されていく中で、日数が経過するにつれてページを閲覧する人が減ることが多々あります。
ページへの流入を発生させるためには、さまざまな手段で露出を増やすことが大切です。
オフラインでの露出を増やすためには、商品の体験会やイベントを開催することがおすすめです。商品の良さを実際に体験してもらうことでより購入意欲を底上げしたり、メディアなどにも情報発信しておくことで、体験会や試食会そのものがニュースに繋がったりすることもあります。
オンラインでの露出を増やすためには、SNSなどを使った投稿キャンペーンでより多くの顧客の目に触れるような企画を実施したり、広告配信を行ったりすることがおすすめです。SNSは大きく反響が生まれると、これまでアプローチできなかった客層へも情報を届けることができるため、コツコツ日々の情報発信を積み上げることと、拡散性の強いプレゼントキャンペーンなどを組み合わせると効果的です。
広告配信については、ページを一度訪問したユーザーへ継続的に広告を表示させるリターゲティング広告や、興味関心の近しいユーザーに表示されるSNS広告などさまざまな種類があります。商品やターゲットなどによって適した広告配信方法が異なるため、キュレーターや制作会社などに相談することをお勧めします。
SNSアカウントやプロジェクトページを使った情報発信や応援メッセージへの返信はこまめに行うようにしましょう。新着情報の発信、プロジェクトの進捗、プロジェクトへの思い、商品・サービスに関するお知らせなど、些細なことでもいいので、定期的に情報発信やユーザーとのコミュニケーションを取ることが大切です。
特に購入から配送までに少し時間が空くような場合、情報発信の回数が少ないと顧客の不信感に繋がってしまい、せっかくワクワクしながら買ったものでも、最悪の場合クレームや炎上などにつながるケースも見られます。
単なる購入者、に向けての対応をするのではなく、長くブランド・商品を支えてくれる「ファン」になってもらえるかもしれない人、として丁寧かつ迅速な対応を行うことが肝心です。
一口に宣伝といっても様々な方法がありますが、SNSやネット広告などのインターネットを駆使したオンライン上の宣伝方法とオフラインの宣伝方法をうまく使い分けることでより注目を集めることが可能です。
ここでは一般的なクラウドファンディングでよく使われる宣伝方法を5つご紹介します。
より多くの人からの応援と共感を生み出すためには、身近な人に自信を持っておすすめできるプロジェクトであることが欠かせません。まずは身近な友人・知人、職場の人、家族などに、SNSの発信などを通じてプロジェクトを実施していることを伝えましょう。
なぜこのプロジェクトを実施するのかという意気込み、未来への展望、そして御礼の気持ちを丁寧に伝えることが大切です。
相手の顔が浮かぶ距離感の人たちだからこそ、応援団として一緒に発信してくれる仲間を探すような気持ちで丁寧にコミュニケーションを取っていくようにしましょう。
代表的なコミュニケーションツールであるSNS。顧客に対してダイレクトに情報を届けることができ、簡単に情報を拡散してもらえることから、個人だけでなく多くの企業が宣伝方法として取り入れています。
そんなSNSはクラウドファンディングの宣伝にも効果的ですが、種類によって特徴や発信方法、ターゲットが異なります。一つのSNSに絞らず、複数のSNSで発信することで、より効率的に幅広い層へ自社のプロジェクトの情報を認知してもらうことが可能です。
また各媒体では広告枠を用意しているため、それらを有効活用することでよりダイレクトに、かつ拡散性を持って情報発信を行うことが可能です。
広告の出稿条件は各SNSによって異なるため、事前に確認しておきましょう。
以下で代表的なSNSの概要や基本的な特徴について解説します。
140文字以内という制限つきで、つぶやきと言われるコメントを投稿できます。世界中の政府機関やメディアも情報発信を行なっており、社会インフラとして高い影響力を持っています。
Twitterの強みは「拡散力の高さ」と「即効性」。「RT(リツイート)」という情報を気軽にシェアできる機能で、より多くのユーザーに迅速に情報を届けることができます。
投稿内に画像やリンクを埋め込むこともでき、ユーザーが情報源にすぐ触れることができ、自分の意見を呟きやすい仕様になっています。話題性のあるトピックスを盛り込んだり、ユーザーの意見を確認したい場合には非常に効果的と言えます。
さらに、Twitterはアナリティクス(分析)機能が発達しており、どれだけの人数にリーチできたか、そのうちいいね機能などに反応した人数はどれくらいの割合か、などを確認することができます。日々の数値の変動を小まめに確認し対策を行うことで、効果検証をよりスムーズに行うことが可能です。
一方で、短文であるがゆえ一回の投稿にすべての情報を盛り込むことは難しく、拡散には継続的な運用やある程度のテクニックも必要になります。
実名で登録するため、よりリアルなユーザーに接触できることが特徴です。特に広告配信などを組み合わせて利用すると、年代や性別、趣味や興味関心などといった精緻なユーザー属性と照らし合わせながらの効果検証が可能なため、よりターゲットの解像度を上げることが可能です。
Facebookでは個人アカウントとは別に、「Facebookページ」というビジネス向けのページを開設することができます。FacebookページはGoogleなどの検索エンジンの対象になるため、Facebookユーザー以外も閲覧可能です。
写真や短い動画(ストーリー)を使った投稿が特徴のSNS。商品・サービスの判断材料となる写真や動画を投稿することで、ユーザーに対して視覚的に訴えかけることが可能です。
画像や音声などからブランドや商品の世界観がより伝わりやすく、アパレルやフード、ジュエリーなど形があるものとは相性がいいと言われています。
#(ハッシュタグ)や位置情報、アカウントのタグ付けなどを活用することで、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。また、投稿にリンクを付与することができないものの、プロフィール欄にリンクを設定することができます。
日本国内の幅広い世代で利用されているコミュニケーションアプリ。企業や店舗が利用する場合、通常のLINEアカウントではなく「LINE公式アカウント」を登録する必要があります。
LINE公式アカウントでは、
など、多様なやり取りを行うことが可能です。
LINEは他のSNS媒体に比べるとより拡散性の低いクローズドな環境であるため、LINEに登録しないと得られないお得な情報や、より個人の嗜好に沿った情報への関心が高い媒体です。
インフルエンサーを起用して、プロジェクトをPRしてもらう方法です。個人の価値観を重視する世の中においてインフルエンサーの影響力は強く、彼らが抱えている数万〜数十万というSNSフォロワーに対して情報を拡散できるのが大きなメリットでしょう。
ただし、有名なインフルエンサーであれば誰でも良いわけではありません。
自身のプロジェクトとの親和性が低いインフルエンサーを起用してしまうと、魅力が十分に伝わらなかったり、PR感が強くフォロワーに煙たがられてしまったりする可能性もあります。また、著名でフォロワー数の多いアカウントであればあるほど依頼料が高額になるケースがほとんどですので、依頼するインフルエンサーは慎重に選定するようにしましょう。
Web広告もクラウドファンディングの宣伝に有効な方法です。Web広告はユーザーの年齢や性別、地域や興味関心、普段どのようなキーワードで検索しているかなど、さまざまな観点からターゲットを絞り込むことが可能です。より自社のプロジェクトに興味を持ってくれそうなユーザーに対して自社の情報を届けることができます。
Web広告には検索上部・下部に掲載できるリスティング広告や、写真や動画で訴求できるディスプレイ広告などがあります。Web広告は費用がかかり、効果を正しく検証するためにもある程度の時間が必要となるため、あらかじめゆとりを持って配信の準備を行うことが大切です。
プレスリリースは新商品・新サービス・新規事業などの情報を、メディアに提供する文書や資料としてまとめたものです。記者がニュースのネタを探す際にも活用されており、プレスリリースをもとに記事化されたり、取材依頼がくるケースもあります。
プレスリリースでは作成後、このプロジェクトが掲載されるとより反響が出そうなメディアに向けて、メールや郵送、問い合わせフォームなどを使って個別に送ります。より多くのメディアに一挙にアプローチしたい場合、「PR TIMES」といったプレスリリース配信サービスを活用するのも1つの方法です。
マクアケでは「PR TIMES」と提携を結んでおり、プロジェクトにまつわるプレスリリース配信がお得になるプランなどもご用意しています。詳細はお問合せください。※利用には条件があります。
注意点としては、プレスリリースを発信したからといって必ずしもメディアに掲載される訳ではないこと、またメディアが掲載する内容に対して事前にチェックを入れたり、掲載のされ方を確認することはできなかったりする点については認識しておく必要があります。
自社のメルマガを登録している顧客に向けて、プロジェクトの準備期間から配送完了までの期間でメルマガを送付します。メルマガを登録しているということは情報をもっと知りたいと感じており、少なからず自社の商品・サービスに興味関心を持っている可能性が高いと言えます。
それぞれの期間で発信するとよい情報は以下の通りです。
ただし、高い頻度で送り続けると、通知の多発や受信ボックスを圧迫してしまうことで煙たがられ解除されてしまう恐れもあります。配信のタイミングや頻度を見極めながら、必要に応じて配信するようにしましょう。
SNSの積極的な運用や広告は費用が発生します。闇雲に費用をかけたところで、その効果がいまいちなのではとてももったいないもの。どの宣伝方法を活用するにも、発信の結果どんな影響があったか、かけた費用に対して見合っているか、見合っていない場合どう改善するか、などをこまめに確認・検討することが重要です。
宣伝を通じてより多くの人に接触するからこそ、予想を越えた反響や思わぬ炎上、クレーム対応などにつながる場合があります。これらに対応するためには、こまめに発信した内容を確認することや事前に準備をした上で発信を行うようにしましょう。
今回の記事ではクラウドファンディングの宣伝方法について紹介しました。クラウドファンディングを成功させるためには、認知と共感の獲得がなによりも重要です。SNSやメルマガなどを活用して積極的に情報を発信していきましょう。