SNSマーケティングとは?売上につなげる戦略と成功のコツ【最新事例付き】
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、新商品のテストマーケティングの手法として、SNSを活用する事例が増加傾向にあります。
SNSでブランドのストーリーや新商品への期待感を醸成し、その熱量をクラウドファンディングの仕組みを活用し、応援購入につなげるという成功サイクルが注目を集めています。
この記事では、「SNSマーケティング」について、その概要から具体的な手法、成功のポイント、そして失敗しないための注意点まで、初心者の方にもわかるように徹底的に解説します。
この記事を読めば、SNSマーケティングの全体像を理解し、今日から実践できる具体的なステップがきっと見つかります。
目次
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【このような方におすすめ】
・新商品を販売開始する前に、Makuakeのトレンドを理解したい方
・季節やニーズのトレンドを商品開発やマーケティングに役立てたい方
1) SNSマーケティングの概要【定義と重要性】
SNSマーケティングとは、InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して、商品やサービスの認知度を高め、販売促進につなげるマーケティング手法です。
企業が一方的に情報を発信するだけでなく、ユーザーと双方向のコミュニケーションを取ることで、企業やブランドのファンを育て、ロイヤルカスタマーを増やすことを目指します。
なぜ今、SNSマーケティングが重要なのか?
現代のSNSマーケティングが不可欠な理由は、その強力な「双方向性」と「拡散力」にあります。
- 双方向性: 従来の広告のように企業が一方的に情報を発信するだけでなく、ユーザーからのコメントや「いいね!」、リツイートなどにリアルタイムで反応できます。これにより、顧客と密な関係を築き、親近感や信頼感を醸成することが可能です。
- 拡散力: SNSは、ユーザー同士のつながりを通じて情報が爆発的に広がる特性を持っています。特に、第三者のUGC(ユーザー生成コンテンツ)、つまり口コミや感想などの投稿は、企業の公式情報よりも信頼されやすく、新たな顧客獲得につながりやすいというメリットがあります。
総務省の調査によると、日本のSNS利用率は78.7%に達し、特に10代から30代では9割以上がSNSを利用しています。このように、幅広い年代にリーチできるSNSを活用することは、現代の企業戦略において必要不可欠な要素と言えるでしょう。
2)SNSマーケティングが注目される背景
SNSマーケティングがこれほどまでに注目されるようになった背景には、消費者の行動様式の変化と、デジタルマーケティング環境の変化が大きく関係しています。
消費者の情報収集が「検索」から「SNS」へ
若年層を中心に、商品やサービスを探す際に、Googleなどの検索エンジンではなくInstagramやTikTokでハッシュタグ検索をするのが当たり前になりつつあります。
例えば、「東京 カフェ」と検索する代わりに、Instagramで「#東京カフェ」と調べることで、写真や動画でリアルな雰囲気を知ろうとします。
SNSは、友人やインフルエンサーなど、信頼できると感じる人からの「リアルな声」が溢れる場所です。商品やサービスを見つけるだけでなく、その評判や使い方まで知ることができるため、消費者の購買行動に大きな影響を与えています。
低コストで高い費用対効果を期待できる
SNS広告は、少額の予算から始められる上に、年齢や性別、興味関心など、非常に細かなターゲティングが可能です。これにより、自社のターゲットとなる層に効率的にアプローチできます。
また、ユーザーによってコンテンツが拡散されれば、追加の広告費をかけることなく、自社ではリーチできなかった層にまで情報を届けられます。
このように、費用を抑えつつ高いROI(投資収益率)を期待できる点も、多くの企業がSNSマーケティングに取り組む理由となっています。
3)企業がSNSマーケティングで達成したいこと【目的・メリット】
SNSマーケティングの目的は、単にフォロワーを増やすことではありません。明確な目標を持つことで、戦略的な運用が可能になります。
SNSマーケティングの代表的な目的
- ブランド認知度の向上:多くの人に企業や商品の存在を知ってもらう
- ファンの獲得・ロイヤルティ醸成:継続的な交流を通じて、ブランドに愛着を持つ熱心なファンを育てる
- 販売促進・売上増加:SNS投稿をきっかけに、ECサイトや店舗への集客につなげる
- 顧客との関係性強化:コメントやDMを通じて、顧客の生の声(VoC)を収集し、サービス改善に活かす
SNSマーケティングの主なメリット
企業がSNSマーケティングから得られる具体的なメリットを3つ紹介します。
- 低コスト・高効率
自社アカウントの運用自体は無料で始められ、投稿が拡散すれば広告費をかけずに宣伝可能です。SNS広告も少額から出稿でき、詳細なターゲティングによって費用対効果の高い広告運用が可能です。
- リアルタイムの情報発信と市場調査
新商品の情報やキャンペーン告知を即座に行えるだけでなく、投稿に対するユーザーの反応をリアルタイムで把握できます。これにより、市場のニーズやトレンドを素早く掴み、マーケティング戦略に活かすことが可能です。 - ブランドイメージの向上と信頼獲得
SNS上でユーザーと積極的に対話することで、「ユーザーの声に耳を傾ける企業」という好印象を与えられます。第三者のリアルな口コミ(UGC)が広がることで、ブランドに対する信頼も高まります。
4)SNSプラットフォームの選択と特徴
SNSと一口に言っても、それぞれのプラットフォームには異なる特徴と主要なユーザー層が存在します。自分が発信したい内容、世界観、ターゲットとするユーザーとの相性を鑑みて選択することが重要です。
プラットフォーム |
主なユーザー層 |
特徴・活用ポイント |
Instagram(インスタ) |
若年層~30代の女性中心 |
写真や動画でブランドの世界観を伝えやすいのが特徴です。ファッション、コスメ、食品など視覚に訴えかける商材と相性が良く、ECサイトへの誘導にも効果的です。 |
X(旧Twitter) |
幅広い年代(特に20〜40代) |
リアルタイムの情報拡散に非常に優れています。短文投稿が中心で、ハッシュタグを活用したキャンペーンや、ユーザーとのフランクな交流に向いています。 |
TikTok |
10代〜20代中心 |
ショート動画に特化したプラットフォームです。エンタメ性の高いコンテンツが「バズる」ことで、爆発的なリーチを獲得できる可能性があります。 |
YouTube |
幅広い年代 |
動画コンテンツがメインで、商品レビューや使い方解説など、長尺で詳しい情報を伝えたい場合に最適です。Google検索との連携も強く、SEO効果も期待できます。 |
|
30代〜50代中心 |
実名登録が基本で、ビジネス利用やコミュニティ形成に向いています。イベント告知やBtoB企業(企業間取引)の情報発信にも適しています。 |
LINE |
20代〜60代と幅広く浸透 |
日本国内で最も利用者が多いコミュニケーションツールです。企業公式アカウントでは、クーポン配信やプッシュ通知などで既存顧客のリピートを促すことに有効です。 |
5. 新商品デビューを盛り上げる!SNS投稿スケジュール【実践ガイド】
ここでは、新商品のMakuakeプロジェクトを成功に導くための、具体的なSNS投稿スケジュールとコンテンツ例をご紹介します。「継続は力なり」の精神で、地道な発信を続けることが成功への鍵です。
ステップ |
投稿タイミング |
準備しておくこと、投稿する内容 |
プロジェクト掲載前 |
公開1ヶ月〜2週間前 |
・情報発信用の企業アカウントや個人アカウントを作成します。すでにアカウントがある場合は、プロフィールを最適化し、事業の紹介や商品の背景、こだわりなどについて投稿を始めましょう。 ・SNSの強みである双方向性を活かすため、いいねやコメントなど、投稿に反応してくれた人には積極的に返信し、ファンとの関係性を築きます。 |
公開2週間〜1週間前 |
・プロジェクトについての発信を段階的に始めます。商品の開発秘話や、プロジェクトにかける想い、リターンの内容などを少しずつ紹介し、フォロワーの期待感を高めます。 |
|
公開1週間前〜直前 |
・公開当日まで毎日発信を行い、盛り上げのピークを作ります。カウントダウン形式での投稿や、質問箱などを活用してフォロワーの疑問に答えることで、プロジェクトへの関心を高めます。 ・開始日時とプロジェクトページのURLを添えて告知します。 |
|
プロジェクト掲載中 |
公開当日〜終了当日まで |
・公開直後にURLと意気込みを投稿し、プロジェクトのスタートを伝えます。 ・2〜3日に1度の頻度で進捗状況を投稿し、プロジェクトの状況をフォロワーと共有します。目標達成や新着リターンなど、ポジティブなニュースがあればすぐに発信しましょう。 ・プロジェクト関連の投稿をしてくれた人には毎日反応し、コミュニティの熱量を維持します。 |
プロジェクト掲載後 |
終了直後〜配送完了まで |
・支援への御礼を全てのSNSアカウントで投稿し、感謝の気持ちを伝えます。 ・リターンの手配状況について、進捗があるたびに投稿し、配送までの不安を解消します。商品が手元に届くまでのプロセスを共有することで、より深いブランド体験を提供できます。 ・配送完了後、改めて完了報告とともに御礼を述べます。 |
6. 成功事例から学ぶSNSマーケティング
実際にSNSマーケティングで成果を上げた企業の事例を見て、成功のヒントを探しましょう。
事例1:革製品メーカー「新進工房」のInstagram・YouTube連携活用
新進工房は、InstagramとYouTubeライブを連携させたマーケティングを展開し、Makuakeで発表した新商品プロジェクトにおいて、応援購入総額6.8億円以上、サポーター39,000人以上という大きな成功を収めました。
成功ポイント:
実行者自ら登場する「顔の見えるライブ配信」で、商品の背景にあるストーリーや作り手の情熱をダイレクトに届けたことです。Instagramで美しい写真や製作過程の動画を投稿して期待感を高め、YouTubeライブでは商品の詳細な機能説明や視聴者からの質問にリアルタイムで丁寧に答えることで、深い理解と信頼感を醸成しました。
この「ライブ感」あふれる双方向のコミュニケーションが、単なる商品紹介に終わらない熱量の高いコミュニティを生み出し、多くのファンを巻き込むことに成功。視聴者が「ブランドを応援したい」という気持ちで購入に至り、Makuakeでの大きな成果に繋がりました。ライブ配信のアーカイブは、新たなファンへの強力なコンテンツとしても機能しています。
事例2:老舗調味料メーカー「ミツカン」のX(旧Twitter)活用
老舗調味料メーカーのミツカンは、SNSマーケティング支援会社ホットリンクのサポートのもと、X(旧Twitter)上で「#味ぽんの日」と「#たまご醤油たれのたれが欲しい」という2つのキャンペーンを展開し、わずか4日間で2度もトレンド1位を獲得するという大きな成功を収めました。
成功ポイント:
ミツカンの成功は、緻密な戦略とユーザーとの共感を呼ぶ企画にあります。従来メインターゲットとしていた料理好きの層から、さらに幅広い年齢層へアプローチするために、Xの媒体特性を活かしてスポーツファンやアニメ好きなど多様な層への情報発信を強化しました。
特に「#たまご醤油たれのたれが欲しい」キャンペーンでは、商品の人気とファンの熱量を背景に、シンプルで参加しやすいハッシュタグを設計。さらに、広告入札額の戦略的な調整やオーガニック投稿との連携といった施策が功を奏し、見事トレンド1位を達成しました。
この成功体験を活かした「#味ぽんの日」キャンペーンでも、複数のアカウントを連動させることで再びトレンド1位に輝いています。一連の成功は、外部パートナーとの強力な連携体制のもと、ターゲット層の拡大と戦略的なキャンペーン設計がいかに重要であるかを示す好事例と言えるでしょう。
事例3:老舗かまぼこブランド「鈴廣かまぼこ」のInstagram活用
鈴廣かまぼこは、「老舗にあって、老舗にあらず」という社是を体現し、Instagramを活用したマーケティングでECサイトの強化に成功しました。特にUGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用が大きな成果を上げています。
成功ポイント:
成功の鍵は、顧客を巻き込んだハッシュタグキャンペーン「#かまぼこのある暮らし」です。このハッシュタグを付けた投稿を促すことで、約3年間で1000件以上のUGC創出に成功。これにより、「かまぼこ」が普段の食卓に並ぶリアルなシーンを効果的に可視化しました。
さらに、ECサイト上にこれらのUGCを掲載することで、作り込まれた公式コンテンツだけでなく、顧客の自然体な投稿という信頼性の高いコンテンツを拡充。これが顧客の購買意欲を刺激し、ECサイトの売上向上に繋がりました。老舗ブランドがSNSを通じて顧客との新たな関係性を築き、EC強化に結びつけた好事例です。
7)SNSマーケティング成功のための注意点【失敗しないために】
SNSマーケティングにはメリットが多い一方で、いくつかのリスクや落とし穴も存在します。ここでは、よくある失敗パターンと、その対策をご紹介します。
失敗パターン1:目標がないまま、ただ投稿を続ける
「SNSを始めたものの、フォロワーも増えず、売上にも繋がらない…」そんな状況に陥っていませんか?これは、明確な目標や戦略がないまま、闇雲に投稿していることが原因かもしれません。地図を持たずに旅に出るようなもので、どこにたどり着くべきかわからなければ、成果は期待できません。
対策:ゴールから逆算して計画を立てる
まずは「6ヶ月でフォロワーを1万人増やす」や「SNS経由のECサイト売上を20%アップさせる」といった、具体的な数値目標(KPI)を設定しましょう。その目標を達成するために、どんな投稿を、どのくらいの頻度で行うべきかを計画に落とし込むことで、日々の運用が意味のある活動に変わります。
失敗パターン2:他社の成功事例をそのまま真似る
「あの企業のキャンペーンが成功したから、うちも同じことをやろう!」と考えるのは自然なことですが、そのまま真似をしても同じ成果が出るとは限りません。他社にはそのブランドの強みや顧客層に合った戦略があるからです。
対策:自社だけの強みや個性を活かす
事例はあくまで「参考書」として捉え、自社のブランドや顧客層に合わせてカスタマイズすることが大切です。自社の商品やサービスにしかない「こだわり」や「ストーリー」を深掘りし、それを独自の切り口で発信することで、他社には真似できないファンを獲得できます。
失敗パターン3:炎上リスクへの備えが不十分
SNSは情報の拡散力が高い反面、たった一つの不適切な投稿やコメントが企業の信頼を大きく損なう「炎上」に発展するリスクも存在します。多くの企業がこのリスクを恐れ、SNS運用に踏み出せないでいます。
対策:リスクを事前に想定し、対応フローを準備しておく
まずは、投稿内容に不備がないか、社内で複数人がチェックする体制を整えましょう。そして、万が一に備え、炎上時の対応フローを事前に決めておくことが重要です。誰が、どのようなタイミングで、どのような内容を発信するかを明確にしておけば、冷静かつ迅速な対応が可能となり、被害を最小限に抑えられます。
8)まとめ:SNSマーケティング成功の鍵と次のアクション
この記事では、SNSマーケティングの基本から実践的な進め方、そして成功のためのポイントを解説しました。
- SNSマーケティングは、双方向のやり取りを通じて顧客と関係を深め、ブランドのファンを育てながら売上にも貢献する可能性のある手法です。
- やみくもに始めるのではなく、明確な戦略を立て、計画的に運用すること。そして、定期的にデータを分析し、改善を続けるPDCAサイクルを回すことです。
- 炎上リスクへの備えや、自社に合った施策選定など、注意点を踏まえたうえで取り組めば、大きなリターンが期待できます。
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