バイラルマーケティングとは?SNS 口コミで低予算でも広がる戦略を徹底解説
SNSで突然話題になり、あっという間に多くの人に知れ渡る―。そんな現象を目にしたことはありませんか?
限られた予算で大きな認知を獲得したい。広告費をかけずに多くの人に商品やサービスを知ってもらいたい。そう考えるマーケティング担当者は少なくありません。
しかし、「バズらせたい」と思っても、なかなか思うように拡散されない。その理由は、バイラルマーケティングの本質的な仕組みや、人が思わず共有したくなる要素を理解していないからかもしれません。
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、数多くのプロジェクトがSNSを中心に大きな話題を生み出しています。そこで成功を収めているプロジェクトに共通するのは、偶然のバズではなく、戦略的な仕掛けと共感を生む設計があることです。
この記事では、バイラルマーケティングの全体像から具体的な手法、成功のポイント、そしてMakuakeの事例までを網羅的に解説します。読み終える頃には、自社の施策を成功に導くための具体的なアクションプランが手に入ります。
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【このような方におすすめ】
・新商品を販売開始する前に、Makuakeのトレンドを理解したい方
・季節やニーズのトレンドを商品開発やマーケティングに役立てたい方
▼目次
1)バイラルマーケティングとは
2)バイラルマーケティングの類似手法との違いと注意点
3)バイラルマーケティングのメリット
4)バイラルマーケティングのデメリット・リスク
5)主な手法・種類
6)成功事例
7)バイラルマーケティング成功のための3つのポイント
8) FAQ
9) まとめ
1)バイラルマーケティングとは
バイラルマーケティング(Viral Marketing)とは、SNSや口コミなどを活用して、商品やサービスの情報を不特定多数に広め、販売促進やブランディングなどにつなげることを目的としたマーケティング手法です。
「バイラル(viral)」はウイルス性という意味で、情報の広まり方がウイルスが拡散する様子に似ていることから名づけられました。
【特徴・仕組み】
- 低コストでの実施:広告費をかけずに消費者の自発的な拡散を活用
- 爆発的な拡散力:SNSにより短時間で数万人、数十万人にリーチ可能
- 高い信頼性:友人・知人からの情報として受け取られるため信頼度が高い
消費者が自発的に拡散したくなる魅力的なコンテンツが成功の前提となります。例えば、ユーモアのある動画や、拡散することで報酬が得られるキャンペーンなどで消費者の興味を引き、拡散を促します。
2)バイラルマーケティングの類似手法との違いと注意点
バイラルマーケティングは、以下の類似手法と混同されやすいため、明確な違いを理解することが重要です。
手法 |
企業の関与 |
主な特徴 |
法的リスク |
バイラルマーケティング |
間接的 |
消費者の自発的な拡散を狙う |
低(適切な表示で回避可能) |
ステルスマーケティング |
隠蔽的 |
広告と気づかれないよう宣伝 |
高(景表法違反) |
バズマーケティング |
積極的 |
企業が意図的に話題を作る |
中(炎上リスク) |
インフルエンサーマーケティング |
契約 |
影響力のある個人への依頼 |
中(ステマ疑惑リスク) |
【注意点:法的リスクの回避】
ステルスマーケティング(ステマ)は2023年10月から景品表示法で明確に禁止されており、違反すると措置命令や課徴金(売上高の3%)の対象となります。 バイラルマーケティングは「PR」「広告」などを適切に表示し、消費者が広告と認識できる形で実施する合法的な手法です。
3)バイラルマーケティングのメリット
- 圧倒的な費用対効果
- 短期間での広範囲リーチ
- ターゲット層への高精度アプローチ
順に解説していきます。
圧倒的な費用対効果
魅力的なコンテンツさえ制作できれば、拡散自体に広告費が不要です。
コスト比較例:
- 動画制作費:100万円
- テレビCM(同規模リーチ):数千万円
- バイラル成功時:追加広告費ゼロで数十万人にリーチ可能
短期間での広範囲リーチ
総務省の調査によると、日本国内のSNS利用者は約8,000万人に上り(2023年度調べ)、この巨大なネットワークを通じて一夜にして全国規模での認知拡大が可能です。
ターゲット層への高精度アプローチ
口コミは共通の興味や価値観を持つ人同士で伝わりやすい特性があり、コンテンツ内容でターゲット層を絞り込むことで、友人・知人からの信頼性の高い情報として受け取られます。
4)バイラルマーケティングのデメリット・リスク
バイラルマーケティングは、その性質上一定のリスクも存在します。
拡散の成否が予測困難
口コミに依存する性質上、どんなに準備をしても拡散される保証はありません。同じような手法でも、タイミングや社会情勢により結果が大きく異なります。
ネガティブな口コミの拡散リスク
良い情報だけでなく、悪評もウイルスのように拡散する可能性があります。
主な炎上パターン:
- 製品の不具合や品質問題の発覚
- 企業の不祥事や不適切な発言
- 文化的配慮に欠けるコンテンツ
【リスク対策】
24時間体制でのモニタリング体制整備と、ネガティブな反応への早期対応策を事前に準備することが重要です。
5)主な手法・種類
バイラルマーケティングは大きく3つの手法に分類されます。
手法 |
コスト |
データ精度 |
適用場面 |
1次的バイラル |
低(制作費のみ) |
低(予測困難) |
話題性のある商品 |
2次的バイラル |
中(報酬費用) |
中(報酬次第) |
キャンペーン型 |
紹介埋め込み型 |
低(開発費) |
高(利用と連動) |
SaaS・アプリ |
1次的バイラルマーケティング
1次的バイラルマーケティングとは、消費者が自発的に知人や友人に情報を共有することで広める手法です。
企業はコンテンツの種を撒くだけで、その後の広がりは消費者の共感次第となります。
2次的バイラルマーケティング
2次的バイラルマーケティングとは、情報を共有することで報酬を付与する手法です。
「お友達紹介キャンペーン」や「口コミ投稿でクーポンプレゼント」などが代表例です。
報酬の内容次第では拡散されず思うような効果を得られなかったり、反対に想像以上の効果が出て対応できないこともあります。あらかじめさまざまなケースを想定しておくことが大切です。
関連記事:SNSマーケティングとは? | 新商品デビューを盛り上げる!SNSでの発信内容とタイミング
紹介埋め込み型
紹介埋め込み型とはサービスを利用すると宣伝が自動的に表示される手法です。主にメールやアプリで用いられ、利用者が増えるほど自動的に宣伝効果が高まります。
6)成功事例
大塚製薬「ファイブミニ」のTikTok売れ
2021年頃、大塚製薬の「ファイブミニ」がTikTokを起点に爆発的な人気となりました。元々は30代以上をターゲットにしていましたが、あるユーザーが「ダイエットや便秘解消に良い」と投稿したことから若年層に注目されました。企業が仕掛けたわけではなく、ユーザーの自発的な投稿から人気に火がついた「TikTok売れ」の代表例です。
成果:
- コンビニエンスストアでの1日あたりの平均売上が2倍以上に増加。
- 本来のターゲットではなかった若年層への認知度が飛躍的に向上。
- ユーザーによるアレンジレシピの投稿など、さらなるUGC(ユーザー生成コンテンツ)へと発展。
成功要因: 企業が想定していなかった「若者向けの健康・美容ドリンク」という新たな価値をユーザー自身が発見・発信した点です。インフルエンサーではない一般ユーザーのリアルな口コミが信頼と共感を呼び、オーガニックな拡散につながりました。その後、企業側もこのムーブメントを後押しする形でプロモーションを展開しました。
学べるポイント: ユーザーが商品の新たな価値を見出し、2次的なバイラル効果を生むことがあります。企業は、ユーザーが自発的に発信する声に耳を傾け、その流れをうまく活用することが重要です。「参加させる」だけでなく、ユーザーが「発見し、語りたくなる」文脈をいかに育むかが成功の鍵となります。
株式会社CIOのコミュニティ型マーケティング
大阪のガジェットメーカー「CIO」は、新製品のリリースプロセスそのものをバイラルさせる独自の手法で熱狂的なファンを増やしています。特定の商品広告ではなく、クラウドファンディングの仕組みとSNSでの密な交流を組み合わせ、ユーザーを巻き込みながら話題性を最大化する戦略が特徴です。
成果:
- クラウドファンディングの仕組みを活用したプロジェクトで、開始後すぐに目標金額を大幅に超える支援を集めることが常態化。
- 単なる顧客ではない「ブランドのファン」としてのロイヤルティが高いコミュニティを形成。
- 新製品が発売されるたびに、ファンやインフルエンサーによる熱量の高い口コミがSNS上で自然発生的に生まれ、広告費を抑えた高い宣伝効果を実現。
成功要因: クラウドファンディングの仕組みを単なる資金調達ではなく、話題作りのためのイベントとして活用している点です。そこで生まれた初期の熱量を、X(旧Twitter)などでの徹底したユーザーコミュニケーションによってさらに高め、ファンを育成。そのファンたちが自発的に情報を拡散してくれることで、バイラルな連鎖が生まれるエコシステムを構築しています。
学べるポイント: クラウドファンディングの仕組みが、資金調達以上に強力なマーケティングツールになり得ることを示しています。ユーザーを「応援してくれるファン」として捉え、開発の段階から巻き込んでいくことで、発売前から熱狂的な支持層を形成できます。「売る」のではなく「共に育てる」という姿勢が、持続的な成長の鍵となります。
無印良品のSNSキャンペーン
無印良品は店舗の10周年記念イベントで「#無印といえば○○」というハッシュタグ投稿企画を実施し、参加者にお買い物割引券を提供しました。
成果: 多数のユーザーが自発的に商品に言及する投稿を実施し、商品の宣伝と売上促進を同時に達成しました。
成功要因: ユーザーにメリット(割引)がある2次的バイラル施策、ブランド愛好者が参加したくなるシンプルなテーマ設定、ハッシュタグによる拡散の仕組み化が功を奏しました。
学べるポイント: シェアしたくなる仕掛けとハッシュタグの組み合わせは、ユーザー発信による信頼性の高い宣伝につながります。
7)バイラルマーケティング成功のための3つのポイント
バイラルマーケティングを成功させるためのポイントをまとめました。
徹底的なターゲットリサーチ
「誰に響かせたいか」を明確にすることが第一歩です。
ユーザーのニーズ・価値観・SNS利用動向を事前に調査し、ターゲット像を具体的に練り上げましょう。
主要なリサーチ項目:
- デモグラフィック分析:年齢、性別、居住地、職業
- SNS利用傾向:使用プラットフォーム、利用時間、投稿パターン
- 関心・価値観:興味のあるジャンル、購買行動、ライフスタイル
関連記事:テストマーケティングとは?|手法や成功させるポイント、Makuakeでの事例を紹介
トレンドのプラットフォームを活用する
常に最新の流行や人が集まるSNSプラットフォームを意識することが重要です。
プラットフォーム別特徴:
- TikTok:10〜20代中心、ショート動画、音楽・ダンス要素
- Instagram:20〜40代女性中心、視覚的魅力、ライフスタイル
- X(旧Twitter):20〜50代幅広い、リアルタイム性、話題性
魅力的でシェアしたくなるコンテンツ作り
最終的に重要なのはコンテンツそのものの力です。以下の要素を盛り込みましょう。
効果的なコンテンツの要素
- 簡潔で分かりやすい:一目で内容が理解できる
- 感情に訴える:笑い、感動、驚き、共感などの感情を誘発
- 実用的価値:役立つ情報やノウハウの提供
- 参加しやすい:ユーザーが真似・参加しやすい仕組み
8) FAQ
Q:バイラルマーケティングは必ず成功しますか?
A:いいえ、成功は保証されません。口コミに依存する性質上、どんなに準備をしても拡散されない可能性があります。リスクを理解した上で、複数の施策を組み合わせることが重要です。
Q:ステルスマーケティングとの線引きはどこですか?
A:広告であることを明示しているかどうかが最大の違いです。「PR」「広告」「提供」などの表示を適切に行い、消費者が広告と認識できる形で実施する必要があります。
Q:どのくらいの予算が必要ですか?
A:手法により大きく異なります。1次的バイラルなら制作費のみ(数万〜数百万円)、2次的バイラルならキャンペーン費用(数十万〜数百万円)が目安です。
Q:効果測定はどのように行いますか?
A:リーチ数、エンゲージメント率、シェア数、コンバージョン率などのKPIを設定します。各SNSプラットフォームのアナリティクス機能やGoogle Analyticsなどのツールを活用して効果を測定できます。
9) まとめ
当記事では、バイラルマーケティングの手法や取り組むメリットなどを紹介しました。バイラルマーケティングは、成功すれば多くの消費者にリーチすることができます。成功させるためには、トレンドの媒体を利用することや、コンテンツの内容にこだわることが大切です。
- バイラルマーケティングは口コミを活用した低コスト・高効果のマーケティング手法
- ステマとは明確に区別される合法的な手法で、適切な広告表示が必須
- 3つの手法(1次的・2次的・埋め込み型)それぞれに特徴とリスクがある
- 成功にはターゲットリサーチ、プラットフォーム選択、コンテンツ力が重要
【Makuakeでのバイラルマーケティング活用】
累計40,000件以上のプロジェクトを支援してきたMakuakeでは、新商品のテストマーケティングの一環として、SNS発信によるバイラル効果を組み合わせた施策も可能です。
具体的な施策例:
- ハッシュタグキャンペーンとの連動
- インフルエンサーとのコラボレーション企画
- ユーザー投稿を促進する仕組み作り
- SNSでシェアされやすいビジュアル・動画コンテンツの制作支援
バイラルマーケティングを味方につけて、あなたの商品・サービスも大きく飛躍させましょう。
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