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中小企業がクラウドファンディングで資金調達!成功するためのポイントとは

近年、新しい資金調達方法としてクラウドファンディングが注目を浴びています。特に中小企業においても活用例が一般化しています。従来の銀行融資や補助金に頼らない新たな資金調達手段として、クラウドファンディングは中小企業に大きな可能性をもたらしています。

本記事では、中小企業におけるクラウドファンディングの活用のポイントを、基本的な仕組みから具体的な実践方法、そして実際の成功事例まで幅広く解説します。初めてクラウドファンディングに挑戦する方でも、この記事を読めば具体的な一歩を踏み出せるよう、実践的な内容をお届けします。

 
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1)クラウドファンディングとは何か【基本の仕組みと特徴】

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クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、「群衆(クラウド/Crowd)」と「資金調達(ファンディング/Funding)」を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人から少額ずつ資金を調達する仕組みです。

関連記事:クラウドファンディングとは?|仕組み・種類・メリット・デメリットをわかりやすく解説

従来の資金調達方法である銀行融資や投資家からの出資とは異なり、一般の個人から広く資金を募ることができる点が最大の特徴です。

プロジェクトの起案者(中小企業)と支援者(一般の個人)をクラウドファンディングプラットフォームが仲介し、インターネット上で資金調達を実現します。

このプラットフォームは手数料を取ることで事業を成立させており、起案者と支援者の双方にとって安全で効率的な取引環境を提供しています。

 

(※)プラットフォームにより、「起案者」はプロジェクトオーナー、実行者、クリエイターなど、「支援者」は、サポーターやバッカー、応援者などさまざまな呼び方で表現されます。この記事では代表的な表現である「起案者」、「支援者」を採用しています

 

従来の資金調達との違い

クラウドファンディングは、単なる資金調達手段にとどまらず、マーケティング効果ファン獲得を同時に実現できる点で、従来の資金調達方法とは異なります。

銀行融資では厳格な審査や担保が必要となりますが、クラウドファンディングでは支援者の共感さえ得られれば、創業間もない企業や革新的なアイデアでも資金調達が可能です。

さらに、プロジェクトを公開することでPR効果が生まれ、SNSでの拡散により認知度向上も期待できます。支援者は単なる出資者ではなく、製品やサービスの最初のファンとなり、ファンを通じた口コミによる宣伝効果も見込めます。

 

2)クラウドファンディングの種類とその特徴【主要6タイプ完全解説】

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クラウドファンディングには大きく分けて「非投資型」と「投資型」があり、それぞれに異なる特徴があります。中小企業が自社の目的に合った種類を選ぶことが成功への第一歩となります。

2-1)非投資型クラウドファンディング

種類

特徴

リターン

代表的プラットフォーム

適している企業

購入型

支援者に商品やサービスを提供する予約購入型

商品・サービス

Makuake、CAMPFIRE、READYFOR

新商品開発を行う製造業、飲食業

寄付型

社会貢献を目的とし、経済的リターンなし

なし(お礼状程度)

READYFOR、JAPANGIVING

NPO法人、社会的企業

購入型クラウドファンディングは、中小企業に人気があります。支援者は実質的に商品の先行予約・購入を行うため、企業側はテストマーケティングとして活用できます。一方、寄付型は災害復興や社会課題解決など、公益性の高いプロジェクトに適しています。

 

2-2)投資型クラウドファンディング

種類

特徴

リターン

代表的プラットフォーム

適している企業

融資型(貸付型)

投資家が小口融資し利息収入を得る

利息(年利3-10%程度)

Crowd Bank、SBIソーシャルレンディング

安定収益が見込める事業

株式投資型

未上場株式への出資で株主になる

株式・配当

FUNDINNO、イークラウド

成長性の高いベンチャー企業

ファンド型

事業の成果に応じて分配金を得る

売上連動の分配金

セキュリテ、ミュージックセキュリティーズ

地域特産品事業、エンタメ事業

ふるさと納税型

地方創生・税控除型の新しい形態

返礼品・税控除

ふるさとチョイス

地方の中小企業、地域産業

投資型は金融商品取引法の規制対象となるため、購入型よりも手続きが複雑ですが、より大規模な資金調達が可能です。

特に株式投資型では、1社あたり年間1億円未満まで調達でき、成長志向の強い中小企業に適しています。

 

3)中小企業がクラウドファンディングを活用するメリット【資金調達以上の効果】

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クラウドファンディングを「単なる資金集めの手段」と捉えるのは、価値を見逃しているかもしれません。

クラウドファンディングは中小企業にとって、資金調達・マーケティング・顧客開拓を同時に実現できる多機能型の経営戦略ツールです。

 

資金調達の選択肢拡大と柔軟性

クラウドファンディングは、銀行融資や補助金以外の第三の資金調達手段として、中小企業の新たな選択肢となっています。特に創業間もない企業や、革新的すぎて銀行の理解を得にくい商品・プロジェクトでも、消費者の共感が得られれば資金調達が可能です。

実際に、少額ずつ多数から集めることで、結果的に数千万円規模の資金調達に成功する事例も増えています。2021年度の国内クラウドファンディング市場規模は約1,642億円に達し、その後も成長が見込まれています。

All or Nothing方式なら、目標未達時は資金を受け取らないため、借入のような負債リスクを負わずに済むという利点もあります。つまり、失敗しても損失はプロジェクト準備コスト程度に留まり、財務的なダメージを最小限に抑えられるのです。

 

マーケットテストと顧客ニーズ検証

新商品の市場反応を直接確かめられることは、クラウドファンディングの大きな魅力です。クラウドファンディングを使い、多くのメーカー企業が消費者の反応を見てから一般販売や量産を決定する事例が増加しています。

支援の集まり具合や支援者からのコメント・フィードバックを分析することで、製品改良の貴重なヒントを得られます。

例えば、ある中小製造業では、クラウドファンディングで得た500件以上のユーザーコメントをもとに製品を改良し、その後の一般販売で大成功を収めました。このように、製品を市場に出す前に実際の顧客の声を聞けることは、商品開発のリスクを大幅に軽減し、成功確率を高める効果があります。

 

PR効果と知名度向上

プロジェクト公開自体がニュース性を持ち、広告宣伝費をかけずに大きなPR効果を得られる可能性があります。クラウドファンディングサイト上で注目プロジェクトになれば、サイト内の特集ページに掲載され、多くの閲覧者の目に触れることになります。

SNSでの自然な拡散も期待でき、支援者自身が「私はこのプロジェクトを応援しています」と自主的に宣伝してくれることも少なくありません。このような有機的な情報拡散は、従来の広告手法では得られない信頼性の高いPR効果をもたらします。

 

ファン獲得とコミュニティ形成

支援してくれた人々は、単なる購入者ではなく熱心な応援者となりやすい特徴があります。プロジェクトを通じて企業と支援者の間に共創的な関係が生まれ、コアなファンコミュニティを形成できるのです。

支援者は「自分が応援したプロジェクトが成功した」という達成感を共有し、その後も継続的に企業や商品を応援してくれる傾向があります。このようなファンは、新商品のリピーターになるだけでなく、口コミでのPRや次回プロジェクトへの再支援など、長期的な顧客となります。

中小企業にとって、このような熱心なファンコミュニティの存在は、大企業との競争で大きな武器となるでしょう。

 

4)クラウドファンディングの注意点・デメリット【失敗を防ぐための重要ポイント】

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中小企業でクラウドファンディングを行う場合、リスクもあります。ここでは問題点を整理します。

 

資金調達失敗のリスクと対策

周到な事前準備なしにプロジェクトを公開すると、支援がまったく集まらないという事態も起こります。

実際、クラウドファンディングプロジェクトの約30%は目標金額未達に終わっているというデータもあります。All-In方式を選択した場合では、目標金額未達でもプロジェクト遂行責任が残るため、資金不足で実行が困難になるリスクがあります。

対策として、現実的な目標金額の設定と、プロジェクト開始前の入念な準備、そして初動での支援の確保が重要です。

 

準備・運営の手間と時間的コスト

クラウドファンディングには、プロジェクトページの作成から支援者対応まで、多大な労力と時間がかかります。

具体的には、魅力的なプロジェクトページの作成(文章・画像・動画制作)に1-2ヶ月、プロモーション活動(SNS発信、メディア対応)に継続的な時間投資、支援者対応(コメント返信、進捗報告)に毎日1-2時間程度が必要となります。

特に中小企業では人的リソースが限られるため、この負担は軽視できません。

急ぎの資金調達には不向きであり、準備から資金受け取りまで最短でも3ヶ月、通常は4-6ヶ月程度を見込む必要があります。この期間中、担当者はほぼ専任でプロジェクトに関わることになるため、人員配置の計画も重要です。

 

アイデアの流出と競合リスク

プロジェクトを公開することで、製品コンセプトやビジネスアイデアが競合他社に知られてしまうリスクがあります。特許や知的財産権の保護がない状態で革新的なアイデアを公開すると、資金力のある大企業に先を越される可能性も否定できません。

実際に、クラウドファンディングで話題になったアイデアが、大手企業によって類似商品として市場投入された事例も報告されています。

対策として、コア技術は特許出願してから公開する、製造ノウハウなど核心部分は非公開とする、スピード感を持って市場投入するなどの工夫が必要です。

 

手数料とコスト構造の理解

注意点:実際の手取り額は目標額より少ない プラットフォーム利用手数料として、調達額の一定割合が差し引かれます。

さらに、リターン商品の原価(調達額の30-50%)、発送費用(1件500-1,000円)、決済手数料(3-5%)、プロモーション費用なども必要です。

結果として、1,000万円調達しても実際に事業に使える資金は400-500万円程度になることもあります。会計上も売上計上のタイミングや消費税の扱いなど、税務処理の検討が必要となるため、事前に税理士への相談をおすすめします。

5)中小企業クラウドファンディング成功のポイント【事前準備と運営戦略】 

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適切なプラットフォーム選定

成功への第一歩は、自社プロジェクトに最適なプラットフォームを選ぶことです。初心者には利用者数が多く、サポート体制が充実している大手プラットフォームがおすすめです。

プラットフォームごとに得意分野があり、例えばMakuakeは新商品・ガジェット系に強く、CAMPFIREは地域創生・社会貢献系、READYFORは社会課題解決系のプロジェクトが成功しやすい傾向があります。

各プラットフォームの訪問者数も重要な指標で、Makuakeは3ヶ月で800万人以上の目に触れる可能性が高くなります。プラットフォーム選びの際は、過去の類似プロジェクトの成功事例を確認し、自社のプロジェクトとの親和性を検討することが大切です。

 

明確で共感を呼ぶプロジェクト設計

「なぜそのプロジェクトを実施するのか」をシンプルかつ分かりやすく訴求することが、支援獲得の鍵となります。支援者の多くはプロジェクトページを深く読み込まず、最初の数秒で支援するかどうかを判断します。

成功するプロジェクトに共通するのは、明確な課題提起とその解決策の提示です。

例えば、可動式スマートフォン・タブレットスタンドのプロジェクトではデジタルデバイスの普及による首や肩への負担の増加という社会的課題を前面に出し、目標の50倍以上の支援を集めました。

プロジェクトの背景にあるストーリーを、起承転結で構成し、感情に訴えかける要素を含めることで、支援者の共感を得やすくなります。数字やデータを用いて課題の深刻さを示しつつ、自社がその課題を解決できる理由を論理的に説明することも重要です。

 

魅力的なリターン設計の極意

支援者が「欲しい!応援したい!」と思える魅力的なリターン設計は、プロジェクト成功の重要な要素です。中小企業ならではの工夫として、以下のような付加価値を検討しましょう。

  • 限定性の演出(先行販売価格を一般価格の20-30%オフ、限定カラー・限定数量の設定)
  • 体験価値の提供(工場見学、製作体験、経営者との交流会)
  • 名前クレジット(商品やWebサイトへの支援者名掲載)
  • 段階的な価格設定(3,000円、5,000円、10,000円、30,000円など幅広い支援額に対応)

などが効果的です。リターンの原価率は30-50%程度に抑えることが理想的ですが、初回は認知拡大を優先し、やや高めの原価率でも魅力的なリターンを用意する事例も多くあります。

 

プロジェクトページの作り込み戦略

タイトル・メイン画像・動画でプロジェクトの成否の8割が決まると言われています。魅力が伝わる写真や開発ストーリーを盛り込んだ動画は必須です。

プロジェクトページの構成は、

  1. 課題提起(現状の問題点)
  2. 解決策の提示(商品・サービスの特徴)
  3. 実現可能性の証明(開発実績や試作品)
  4. ビジョンの共有(実現したい未来)

の順でストーリー性を持たせます。

文章は専門用語を避け、中学生でも理解できるレベルの平易な言葉を使います。特に最初の3行で心を掴むコピーが重要で、「○○を救うために立ち上がりました!」など、感情に訴えかける表現を用います。画像は20枚以上、動画は2-3分程度が好まれます。

 

事前告知とファンづくりの重要性

プロジェクト公開前からコアサポーターを確保することが、初動の勢いを生み出す鍵となります。公開初日から3日間で目標の30%以上を達成すると、その後の成功率が大幅に上がるというデータがあります。

具体的な準備として、

  • 既存顧客へのメール告知(公開1ヶ月前から段階的に)
  • SNSでの予告投稿(Twitter、Facebook、Instagram を活用)
  • プレスリリースの配信(公開2週間前)
  • 身近な人への直接の声掛け(最低100名を目標)

などを行います。

特に重要なのは、公開初日に確実に支援してくれる「初日支援者リスト」を作成することです。50-100名程度の初日支援者を確保できれば、プロジェクトに勢いがつき、第三者からの支援も集まりやすくなります。

 

6クラウドファンディングの進め方【計画から実施までの具体的手順】

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プロジェクト計画の立案(準備期間:1-2ヶ月)

成功するクラウドファンディングは、綿密な計画立案から始まります。まず、プロジェクトの目的を明確にし、資金の使い道を具体的に設定します。目標金額は、必要最小限の金額×1.5倍程度に設定することが一般的です。

計画段階で決めるべき重要事項として、

  • 目標金額の設定(必要資金+手数料+リターン原価)
  • 実施期間の決定(30-45日間が最も成功率が高い)
  • リターンの種類と価格設定、プロモーション計画の策定
  • リスク対策の検討

などがあります。

この段階で、類似プロジェクトの分析も欠かせません。成功事例から学べる要素を抽出し、失敗事例から避けるべき落とし穴を把握することで、成功確率を高められます。

 

プラットフォーム選択と申請(期間:2-3週間)

自社に適したプラットフォームを選んだら、新規プロジェクトの申請手続きを行います。各プラットフォームには審査があり、通過率は60-80%程度です。

申請に必要な書類として、

  • 事業者情報(法人登記簿謄本、決算書など)
  • プロジェクト企画書
  • リターン詳細
  • 本人確認書類

などがあります。

審査期間は通常1-2週間ですが、修正が必要な場合はさらに時間がかかります。審査のポイントは、実現可能性(本当に実行できるか)、法的問題の有無、リターンの妥当性などです。

 

プロジェクトページ制作(期間:3-4週間)

審査通過後は、魅力的なプロジェクトページの制作に全力を注ぎます。この段階での作り込みが、プロジェクトの成否を大きく左右します。

ページ制作の具体的な作業として、

  • キャッチコピーとタイトルの決定
  • 本文の執筆(3,000-5,000文字程度)
  • 画像の撮影・編集(プロ撮影推奨)
  • 動画の制作(外注の場合10-30万円程度)
  • リターン説明の作成

などがあります。

プラットフォーム担当者のフィードバックを受けながら、修正を重ねることで、完成度の高いページに仕上げます。特に、スマートフォンでの見え方を重視し、縦スクロールで自然に情報が伝わる構成にすることが重要です。

 

プロジェクト公開とプロモーション(期間:1~3ヶ月)

プロジェクト公開後は、継続的なプロモーション活動が成功の鍵を握ります。公開期間中は、毎日2時間程度をプロモーション活動に充てる必要があります。

日々の活動として、SNSでの情報発信(1日2-3回投稿)、支援者へのお礼メッセージ(24時間以内に返信)、活動報告の更新(週2-3回)、メディアへの情報提供、インフルエンサーへの協力依頼などを行います。特に重要なのは、プロジェクトの進捗を「物語」として伝えることです。「おかげさまで50%達成しました!」「残り1週間、ラストスパート!」など、支援者と一緒にプロジェクトを作り上げている感覚を共有することで、さらなる支援や拡散を促進できます。

 

プロジェクト終了後の実行(期間:2-6ヶ月)

目標達成後は、スピーディーかつ確実なリターン提供が信頼構築の要となります。支援者への感謝の気持ちを忘れず、約束を確実に履行することが、次のプロジェクトや事業の成功につながります。

実行段階での重要タスクとして、支援者への御礼メッセージ送信(終了後3日以内)、リターンの製造・調達開始、発送スケジュールの管理、進捗報告の定期配信(月1回以上)、トラブル時の迅速な対応と説明などがあります。リターン発送が遅れる場合は、必ず事前に連絡し、理由と新しいスケジュールを説明します。また、プロジェクト終了は新たな始まりでもあります。支援者を今後の顧客として大切に育て、メールマガジンやSNSでつながりを維持することで、長期的なファンコミュニティを形成できます。


7中小企業のクラウドファンディング成功事例【実例から学ぶ成功の法則】

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事例①:部品製造から自社ブランドへ転換した「西村プレシジョン」の極薄老眼鏡

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基本情報

  • 支援総額:約200万円
  • 支援者数:100人以上
  • プラットフォーム:Makuake
  • 実施期間:2021年

 

成功の要因分析

福井県鯖江市の眼鏡部品製造メーカーが、自社ブランドへ事業転換を成し遂げた事例です。成功の原点は、社長自身の「老眼鏡が不便」という原体験にあります。この課題を解決するため、眼鏡部品製造で培った精密金属加工技術を注ぎ込み、「紙のように薄い」という革新的なコンセプトの老眼鏡「ペーパーグラス」を開発しました。

その高いデザイン性と機能性は、グッドデザイン賞BEST100をはじめ国内外のデザイン賞を多数受賞した実績が製品への信頼性を高め、Makuakeでのプロジェクト成功に繋がりました。Makuakeでの成功は、資金調達だけでなく熱心な初期顧客を獲得するテストマーケティングとしても機能し、BtoB事業中心から自社ブランドを核とするメーカーへと変貌する大きな転機となりました。

 

学べるポイント

BtoB企業であっても、自社のコア技術を活かして身近な課題を解決することで、世界に通用する自社ブランドを確立できることを示しています。また、経営者自身のリアルな課題感から生まれた製品は、説得力のあるストーリーとなり支援者の共感を呼びます。Makuakeでの成功を足がかりに、デザイン賞受賞などでブランドの権威性を高め、事業全体を成長させるという戦略は、多くの企業にとって大変参考になります。

 

事例②:独自の複合技術を活かす「宇内金属工業」の革小物ブランド: エマージェンシーウォレットOne

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基本情報

  • 支援総額:約500万円
  • 支援者数:700名以上
  • プラットフォーム:Makuake
  • 実施時期:2025年

成功の要因分析

金属加工と皮革・繊維加工、双方の知見を持つ宇内金属工業が、その独自の強みを最大限に活かした事例です。成功の土台には、服飾ベルトのバックル部品の加工で培った、金属と革といった異素材を高い精度で組み合わせる技術があります。このコアコンピタンスを活かし、キャッシュレス時代の「もしもの備え」という新しいコンセプトを製品に落とし込みました。

金属加工で培った0.1mm単位の精度で設計する技術を革の構造設計に応用することで、極限まで薄くコンパクトでありながら、必要な機能をすべて詰め込むという難題を解決。ただ小さいだけでなく「いざという時に頼りになる」という付加価値が、他のミニ財布との明確な差別化に繋がりました。「異素材を知り尽くした町工場が本気で考えた財布」というストーリーが、製品の信頼性を高め、支援者の心を掴みました。

 

学べるポイント

自社が持つ複数の強みや技術を「掛け合わせる」ことで、他社には模倣できない独自の価値を生み出せることをこの事例は示しています。BtoB事業で培われたニッチな技術(今回の場合はバックル部品加工)が、視点を変えることで全く新しいBtoC製品の強力な競争優位性になり得ます。自社の「当たり前」の技術や経験の中にこそ、新たなヒット商品を生むヒントが隠されている可能性があります。

 

8. まとめ:クラウドファンディングで広がる中小企業の可能性

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クラウドファンディングは、単なる資金調達手段を超えて、中小企業に新たな成長機会をもたらす強力なツールです。資金調達とマーケティング効果、ファン獲得を同時に実現できるこの仕組みは、リソースが限られる中小企業にとって、大企業と渡り合うための有効な武器となり得ます。

本記事で紹介したメリットと注意点を理解し、成功事例から学んだポイントを活かせば、あなたの企業でもクラウドファンディングを成功させることは十分可能です。重要なのは、周到な準備と支援者視点でのプロジェクト設計、そして何より、自社の想いを真摯に伝える姿勢です。

クラウドファンディングに挑戦する際は、Makuakeのような実績豊富なプラットフォームのサポートを受けながら進めることで、成功確率を高められます。ぜひ本記事のポイントを参考に、自社プロジェクトの第一歩を踏み出してみてください。あなたのチャレンジが、新たな事業の扉を開き、企業の未来を切り拓くことを心から応援しています。

 

9. FAQ:クラウドファンディングに関するよくある質問

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Q:小規模事業者もクラウドファンディングはできますか?

A:はい、基本的に可能です。個人事業主から数名規模の企業まで、多くの成功事例があります。むしろ、小規模だからこそ持てる機動力や独自性が強みになることもあります。ただし、プロジェクト運営には相応の時間と労力が必要なため、事前に専門家や経験者に相談することをおすすめします。多くのプラットフォームでは無料相談も受け付けています。

 

Q:クラウドファンディングにはどのくらいの費用がかかりますか?

A:主な費用は、プラットフォーム手数料(調達額の12-20%程度)、決済手数料(3-5%)、リターン商品の原価(調達額の30-50%)です。1,000万円調達した場合、実際に事業に使える金額は400-500万円程度になることが多いです。また、プロジェクトページ用の写真・動画制作を外注する場合は10-50万円程度の初期投資も必要です。税務面では、調達額は原則として売上計上され、消費税の課税対象となる場合もあるため、事前に税理士への相談が必要です。

 

Q:もし失敗したらどうなりますか?

A:All or Nothing方式の場合、目標未達なら支援金は支援者に返金され、金銭的損失はプロジェクト準備にかかった費用のみです。All-In方式では、目標未達でも集まった資金を受け取れますが、プロジェクト実行の責任が生じます。実行が困難な場合は返金対応が必要になることもあります。いずれの場合も、企業の信用に関わるため、実現可能な計画を立てることが最も重要です。

 

Makuakeでは、クラウドファンディングの仕組みを生かした中小企業の挑戦を全面的にサポートしています。

 初めての方も安心して取り組めるよう、プロジェクト設計から実行まで専門スタッフがお手伝いします。まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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