アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、近年購入型クラウドファンディングの特徴を活かしたテストマーケティングの事例が増えてきています。
テストマーケティングとは、新商品やサービスを市場に展開する前に、その需要を事前に確認するマーケティング手法のひとつ。そこで当記事では、テストマーケティングの概要、メリット・デメリット、手法に加え、「Makuake」でのテストマーケティング活用事例を紹介します。
テストマーケティングとは、新商品やサービスを本格的にリリースする前に試験的に展開し、新商品・サービスの需要を確認するマーケティング手法です。先行販売やサンプル提供、広告配信などを通して得た消費者の反応をもとに、販売戦略を改善していくのが目的です。
テストマーケティングを実施することで、新商品・サービスのニーズを確認できます。ここでは、テストマーケティングを実施するメリットを3つ紹介します。
商品・サービスを展開していく上で、購買率を上げるためにターゲットを明確にすることが重要です。しかし、商品・サービスが必ずしも企業側が想定したターゲットに届くとは限りません。
テストマーケティングを行うことで、想定したターゲット層が一致しているかを検証することが可能です。ターゲット層が明確になることで、よりニーズのあるターゲットに向けて適切な戦略を立てられるようになります。
商品・サービスが売れるかどうかは、売ってみないと分からないというのが本質です。しかし、新商品を売り出したはいいものの、ユーザーに響かず商品が売れ残ってしまえば、大きな損失になってしまいます。テストマーケティングには、こういった販売リスクを軽減する効果が期待できます。
一般流通前にテストマーケティングを行いユーザーや市場の反応を確認することで、新商品・サービスを本格的に展開しても問題ないか、プロモーション施策を練り直すべきかなどの判断材料になり、リスクを軽減できるのです。リスクを抑えた上で効率的な販売戦略につなげられるのもテストマーケティングのメリットの一つです。
テストマーケティングでは、ターゲットの属性や流入チャネル、ユーザーの意見などを確認することができ、購買率や商品そのものの改善に役立ちます。今や顧客が企業を選ぶ時代。顧客の意見に耳を傾け、顧客が求める価値を提供していくことが重要です。
ユーザーの視点に立って考えることで、ターゲットにあった提案や販促企画の立案ができるようになります。
本格的に展開する前に、商品・サービスのニーズを確認できるテストマーケティングですが、デメリットもあります。ここでは2つのデメリットを紹介します。
テストマーケティングは試験的に複数回実施することもあるため、その分コストや時間がかかってしまうのがデメリットです。
テストマーケティングで得られたデータをもとに対策と改善を繰り返すうちに、市場の盛り上がりを逃してしまったり、市況によってコストが変動する可能性もあるため、全体を見据えたスケジューリングと発売における最終目的を見失わないことが大切です。
テストマーケティングでは、本格的に展開する前に新商品・サービスの情報を公開するため、競合にアイデアが知られてしまう可能性があります。大規模かつ長時間で行うほど、自社の戦略・アイデアの全容が知られてしまいます。
競合に対して情報を与え、自社より先に似たような商品やサービスを打ち出されてしまうこともあります。そういったリスクも十分に考慮した上で、テストマーケティングを実施するようにしましょう。
次に、オフラインとオンラインに分けてテストマーケティングの手法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
オフラインはユーザーの感情や私生活に密着したフィードバックが獲得しやすいのが特徴です。具体的なオンライン調査は以下の2つです。
モニター調査は、商品のサンプルを送り実際に使ってもらうことで、フィードバックを貰う方法です。自社の既存顧客にモニターを依頼するのが一般的で、メールを送ってモニターを募集します。試用期間中または試用期間終了後に、アンケートやインタビューを通してフィードバックを収集します。
モニター調査は、実際の生活環境での評価や感想を得られるので、よりリアルなデータを集めたい場合に向いています。
会場調査は、調査対象者を指定の場所に集めて、商品・サービスに対する反応や感想をヒアリングする方法です。会場調査は、調査対象者の表情や行動などを直接観察できるため、商品・サービスに対するリアルな反応を確認できます。調査対象者の募集方法は、事前に募集して会場に来てもらう方法と、会場周辺で声をかける方法の2種類があります。
オンライン調査はインターネット上で実施できることから、低コストかつ大量のデータ集計ができるのが特徴です。具体的なオンライン調査の手法は以下の3つです。
購入型クラウドファンディング
インターネット上でアンケートに回答してもらう方法です。アンケート作成ツールを使うことで、簡単にアンケートを作成することが可能です。より多くのアンケートを回収したい場合は、アンケートに回答してくれた人のみにクーポンなどの特典を用意すれば、回収率の向上が期待できます。
SNSに商品・サービスに関する情報を投稿し、投稿に対するコメントや「リツイート数」「いいね数」などでユーザーの反応を確かめます。
SNS運用は基本的に無料であるため、気軽に始められるのが魅力です。SNSによって特徴や属性が異なるため、自社の目的にあったSNSを選ぶようにしましょう。
ただし、SNSでテストマーケティングする場合、ある程度のフォロワーが集まらないと正確な反応がわかりません。SNSを使って地道に情報を発信し、フォロワーを増やしていく必要があります。
インターネットを通じて不特定多数の第三者から資金を集められるクラウドファンディングも、テストマーケティングの手法として有効です。
中でもプロダクトやサービスをリターンとする購入型クラウドファンディングは、販売実績が目に見える形で残るということもあり、企業が新しいプロダクトやサービスに対する市場の反応を見極める手法として定着しつつあります。
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、国内特許取得済の分析ツールである「Makuake Analytics」を使ったデータ分析、実行者がサポーターと積極的にコミュニケーションを取れる「応援コメント」や「活動レポート」などのツールを活用してテストマーケティングを行う事例が増えてきています。
また、一般販売をする前に「Makuake」上で実績を作ることができるため、サポーターに留まらず、問屋やセレクトショップのバイヤーなどからの注目度も高くなっていることから、「Makuake」での実績が販路拡大のための営業ツールとしても活用することができます。
商品・サービスを展開していくにはコストが必要になるため、コストに見合う商品・サービスかどうかをテストマーケティングを通して検証する必要があります。より効果的な検証を行うためにも、指標を設定した上で分析することが重要です。ここでは、テストマーケティングで分析すべき4つの指標を紹介します。
属性とは、
などターゲットやユーザーの個人的、社会的な情報のことです。属性によって、趣向やニーズ、悩みなどが異なるため、最終的な購買率を上げるために一番留意して確認すべきポイントです。
商品・サービスの購入数・契約数を確認するだけでなく、どういう人が商品・サービスに興味を持っているのかを把握することが重要です。ターゲットやユーザーの属性を確認することで、より詳細な分析と、ターゲットにあわせ購買意欲に直結する訴求ができるようになります。
商品やパッケージの仕様は、ユーザーが商品・サービスを購入する際の重要な要素です。
など様々な観点からユーザーの反応を取り入れていきましょう。
また、ユーザーの意見を聞く際は、ポジティブな意見だけなく、ネガティブな意見を聞き逃さないことが大切です。ネガティブな意見には、商品やサービスの改善につながるようなヒントも隠れていることもあり、自社でも気づいていなかった課題に発見できるきっかけにもなります。
流入チャネルとは、ユーザーが商品・サービスにたどり着くまでの経路を示したものです。ユーザーによって、SNS、Web広告、CMなど流入経路は多岐にわたります。
「ユーザーがどのような経路を通って商品・サービスにたどり着いたのか」
「どの経路であればユーザーに届きやすいのか」
など、流入チャネルごとの分析をすることで、効果のある流入チャネルに費用をかけられるようになります。
広告といっても、検索連動型広告やディスプレイ広告、SNS広告など数多くの種類があります。広告の種類によってアプローチできるユーザーの種類や母数が異なります。
テストマーケティングを通してプロモーションを行い、設定した広告で狙っていたターゲットが獲得できているかを検証しましょう。
より効果的なテストマーケティングを行うためにも、実施前や実施後で押えておきたいポイントがあります。ここではテストマーケティングを成功させる3つのポイントを紹介します。
テストマーケティングを実施する際は、調査対象となるターゲットを明確にしましょう。本番と異なったターゲットを設定してしまうと、データの信頼性が下がってしまいます。新商品・サービスの特徴を加味した上で適切なターゲットを設定することが大切です。
テストマーケティングの信頼性を高めるためには、仮説をたてることが重要です。あらかじめ立てた仮説をもとに調査や検証を行い、仮説の正当性を確かめます。
仮説を立てた上で調査や検証を行うことで、判断がスムーズになったり、原因を突き止めるたりするのに役立ちます。
テストマーケティングは実施して、数値やデータを確認するだけでは十分な効果が得られません。収集したデータを分析し、いかにして活用するかが重要になります。
テストマーケティングを実施して結果が良くないのであれば、原因を徹底して追求する必要があります。性能、サイズ、形状、価格、名称、デザインなど様々な観点で分析し、本番の施策を見直し・改善していきましょう。
最後に、過去に「Makuake」でテストマーケティングとして実施された活用事例を紹介します。
https://www.makuake.com/project/taiyo15/
シリーズ累計の販売個数8万個、応援購入金額4億円を超える寝具ブランド「ヒツジのいらないシリーズ」は、Makuakeでのテストマーケティングから誕生しました。
2019年の第一弾の枕販売プロジェクトから徹底してユーザーボイスの収集に努め、商品の高さや硬さ、素材そのものの改良を行い新商品の開発・販売を繰り返しています。また、枕だけではなくマットレスや掛け布団など、睡眠をキーワードに商品展開を拡大しているところもポイントです。
Makuakeでの実績をもとに実店舗や他ECサイトでの販売も拡大しており、まずMakuakeで新商品のテストマーケティングを行なってから、結果の分析をもとに効率的に一般販売を行うサイクルを構築しています。
https://www.makuake.com/project/yamaya/
全国で広く飲食店「博多もつ鍋やまや」を運営している、辛子明太子メーカーのやまや。
日々新しい商品開発を行う中で、一般流通にいきなりのせるのは難しいような企画品を多数抱えており、それらのニーズ調査、販売ロットの確保のためにプロジェクトを実施しました。
結果として、1,000人を超える人数の支援者が集まり、複数のアイテムの商品化に成功。
Makuakeでの実績をもとに、一般量販店での取り扱いが決定、他アイテムでのプロジェクト実施も行うなどテストマーケティングツールとしてMakuakeの活用を続けています。
https://www.makuake.com/project/mochihada/
肌着ブランド「もちはだ」を展開しているワシオ株式会社は、1955年創業。
世界で唯一、ワシオでしか作れない”ワシオ式起毛生地”を使用した肌着を展開するなかで、これまで接点のなかった若い世代のユーザーも獲得したいという思いからデザインを一新しました。
2017年に初めてMakuakeでプロジェクトを実施した際には、開始から2時間45分で目標金額を達成、一時生産が追いつかなくなるほどの好調ぶりを見せました。
「Makuakeを通じてもちはだのファンが増えたのはもちろんですが、『おもしろい会社がある!』と連絡をくれたりメディアから取材を受けたり、色んな可能が広がりました。」とワシオ株式会社統括部長の鷲尾岳氏は語ります。
同社は以降、毎年秋頃にMakuakeで新商品の販売を行なっており、ユーザーデータを集めながら翌年の商品開発を行うサイクルでMakuakeを活用しています。
参考:世界から寒いをなくす「もちはだ」会社を越えた最強チームのつくり方とは CRAFT STORE
今回の記事ではテストマーケティングをテーマに、メリット・デメリット、手法、分析する指標、成功させるポイント、活用事例を紹介しました。
テストマーケティングを実施することで、本格的に商品・サービスを展開する前に、ユーザーや市場のニーズを把握するのに役立ちます。テストマーケティングを実施する方法は様々です。最近ではクラウドファンディングなどインターネットを活用したテストマーケティングも積極的に活用されています。
テストマーケティングを実施する際は、明確なターゲット設定した上で分析を行い、本番の施策につなげていくことが重要です。自社の新商品・サービスを成功させるためにもテストマーケティングを活用し、より効果的な販売戦略につなげていきましょう。
なお、「Makuake」は累計26,000件以上のプロジェクト数を誇る国内最大級の購入型クラウドファンディングサイトです。ご興味のある方は下記より詳細な資料をダウンロードください。