クラウドファンディングのやり方 完全ガイド|初心者が成功するための6つのステップとコツ
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、新商品のテストマーケティングや認知獲得の手段としてクラウドファンディングの仕組みを活用する企業や個人が多く出品しています。
「クラウドファンディングに挑戦したいが、何から始めればよいか分からない」「失敗したらどうなるのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、クラウドファンディングの具体的な始め方から成功のポイント、注意点、実際の成功事例まで、初心者でも実践できるよう6つのステップで詳しく解説します。
クラウドファンディングの基本的な仕組みや種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください
(※)プラットフォームにより、「起案者」はプロジェクトオーナー、実行者、クリエイターなど、「支援者」は、サポーターやバッカー、応援者などさまざまな呼び方で表現されます。この記事では代表的な表現である「起案者」、「支援者」を採用しています
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【このような方におすすめ】
・新商品を販売開始する前に、Makuakeのトレンドを理解したい方
・季節やニーズのトレンドを商品開発やマーケティングに役立てたい方
1)クラウドファンディングの進め方【6つのステップ】

ステップ1:目標設定と目標金額の決定
まずは、クラウドファンディングを実施する目標を設定しましょう。どのようなプロジェクトをやりたいのか、いくら必要なのかなど目標を明確に設定する必要があります。
【目標設定のポイント】
- プロジェクトの目的を明確化: 何を実現したいのか一文で言語化する
- 目標金額の算出: 必要コスト+手数料(15-20%)+リターン製作費を含めて設定
- ターゲットの明確化: 誰に向けたプロジェクトか、どのような課題を解決したいかを整理
【資金使途の例】
- 商品開発・製造費用
- マーケティング・宣伝費
- 人件費・運営費
- リターン品の制作・発送費用
目標金額は「このプロジェクトを実施するために、これくらいの資金が必要」という具体的な根拠を明示することが大切です。また、プロジェクト内容とリターン設計は連動するため、この段階でリターンのイメージも固めておきましょう。
ステップ2:プラットフォームの選択
クラウドファンディングには目的に応じて様々なプラットフォームがあります。プラットフォームによって取り扱うジャンルや手数料が異なるため、あなたに合ったプラットフォームを選びましょう。
【主要プラットフォーム比較】
|
サービス名 |
特徴・得意分野 |
累計販売金額 |
プロジェクト実施件数 |
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Makuake |
多様なジャンルに対応・企業の新商品テストマーケティング事例多数 |
1,100億円以上 |
47,000件以上 |
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CAMPFIRE |
件数多数・オールジャンル対応で個人によるプロジェクも多数 |
1,000億 |
10万件以上 |
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READYFOR |
社会性重視・NPOや公共団体などの寄付プロジェクトが充実 |
500億円以上 |
3万件超 |
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GREEN FUNDING |
環境・デジタル・クリエイティブ系が多数 |
非公開 |
非公開 |
出典:累計販売金額、プロジェクト実施件数は各プラットフォーム公式ページより(2025年12月12日時点)
【選定時のチェックポイント】
- 手数料: 成功時の利用料や決済手数料を確認
- サポート体制: 担当者の有無や審査プロセス
- プロジェクトの相性: 過去に似た案件が掲載されているサイトを選ぶ
- ユーザー層: 各プラットフォームの利用者属性・販売実績
Makuakeは30-50代を中心に購買力があるユーザー(サポーター)層が特徴です。新しいものへの好奇心が旺盛で「他の人とは違う特別なものが欲しい」という買い物感度の高いサポーター会員が多いため、プロジェクトあたりの販売金額も高い傾向があります。また、4半期ごとのサイト訪問数は約1,000万人となっています。
ステップ3:プロジェクトページの作成
プラットフォームが決まったら、プロジェクトページの作成準備を進めていきます。支援者はページの情報をもとに支援するかどうかを判断するため、魅力的で分かりやすいページを作ることが成功の鍵となります。
【プロジェクトページの構成要素】
■ プロジェクトタイトルと概要
- 一目で内容と魅力が伝わるタイトル
- 例:「革新的な○○ガジェットで生活を快適に」
■ ストーリー(背景・想い)
- なぜこのプロジェクトをやるのか、背景や想いをエピソードを交えて記載
- 課題→解決策→未来像の順序で構成すると効果的
■ 商品・サービス詳細
- 特徴や機能がわかりやすく伝わること
- 他にはない特徴や特別感のある魅力を明示
■ 画像・動画の準備
- 実際に使用している写真・動画で具体的なイメージを提供
- 可能なら紹介動画を用意する
■ リターンの設定
- 3〜10個前後のリターンを金額に応じて設定
- 一般発売よりも早く届く製品
- 早期サポーター向けの限定特典や割引
■ 起案者情報
- プロフィールや実績、受賞歴があれば記載
- チームメンバー紹介や顔写真で信頼性アップ
プロジェクトページは家の外観や玄関のようなものです。部屋の奥にどんなに素敵な商品が置いてあっても、入り口に魅力がなければ興味をもち、支援に至りません。周りの人に下書きを見てもらい、フィードバックをもらいながら作成することで、ページの精度を高められます。
ステップ4:審査・申請と公開準備
プロジェクトページの準備が整ったら、プラットフォームの審査を受けます。審査通過後、プロジェクトを公開できるようになります。
【審査で確認される主なポイント】
- 起案者自身について(公的証明書などを提出)
- プロジェクト内容や表記に違法性がないか
- リターンや資金使途が明確に記載されているか
- ガイドライン違反(投機的案件や法令違反内容)がないか
【公開前の準備事項】
- 事前告知の実施: SNSや知人への周知
- 初期支援者の確保: 開始直後の勢いづくり
- メディア対応準備: プレスリリースの準備
- 広告施策の企画: 効果的な集客方法の検討
目標として掲げた金額を達成し、プロジェクトを成功させるためには、公開前から積極的に周知しておくことが大切です。何もしなければ、誰にも知られないままプロジェクトが終了してしまう可能性もあります。
ステップ5:プロジェクト公開とプロモーション(集客)
プロジェクトを公開したら、積極的に宣伝・拡散を行います。公開しただけでは十分な支援は集まりません。特に公開直後の数日が勝負であることを理解し、戦略的にプロモーションを実施しましょう。
【重要データ】
READYFORの調査では「開始5日間で目標の20%を達成できれば成功率約90%」というデータがあります。早期に支援を集める工夫が成功の鍵となります。
【具体的なプロモーション手法】
- 知人・既存ファンへの直接連絡
- まずは身近な知人や既存ファンにプロジェクト開始を知らせる
- 初期支援者を確保することで勢いをつける
- SNSでの情報拡散
- X(旧Twitter)、Facebook、Instagram等で定期的に発信
- 週に1度以上、画像や動画付きで投稿
- プロジェクトの魅力や進捗を投稿し、ハッシュタグも活用
- プレスリリースの配信
- PR TIMESなどのサービスでメディアに情報提供
- 新商品の特徴や社会的意義をアピール
- イベントでのPR
- 展示会や説明会で直接アピール
- 実物展示で商品の魅力を体感してもらう
- 広告の活用
- 事前に興味関心の高い顧客リストを収集
- ターゲット層に効率的にリーチ
支援者が増えたらお礼メッセージを発信し、更なる拡散を依頼することも効果的です。公開直後数日で目標の20%を目指し、スタートダッシュを図りましょう。
ステップ6:期間中の運営・コミュニケーション
プロジェクト期間中は、支援者との継続的なコミュニケーションが成功の鍵となります。定期的な進捗報告や丁寧な対応により、支援者の安心感を高め、追加支援や新規支援を促進できます。
【期間中の主な活動】
定期的な進捗報告
- 週1〜2回を目安に活動レポートを投稿
- 集まった支援金額や達成率の報告
- 製作過程や舞台裏の写真・動画を共有
支援者とのコミュニケーション
- 支援者からのコメントや質問には迅速に回答
- 感謝の気持ちを具体的に伝える
- リアルな苦労も共有しつつ前向きな姿勢を維持
追加施策の実施
- 状況に応じて新しいリターンの追加
- 目標達成後のストレッチゴールの設定
- メディア露出や話題化への対応
データ分析と改善
- アクセス解析などの分析ツールを活用
- 流入元や支援者属性の分析
- 効果的な施策の特定と改善
支援者はあなたの報告を心待ちにしています。報告があることでプロジェクトに対する安心感が生まれ、プロジェクトの裏話や熱意を語ることで人柄が伝わり、より応援したくなります。
2)プロジェクトを成功させる5つのポイント

魅力的なリターン内容を複数用意する
リターンは支援者が購入するかどうかを決める重要な要素です。3〜10個前後のリターンを設定することを推奨されています。
【効果的なリターン設計】
- 早期支援者向け割引: 一般発売価格より20-30%安く設定
- 限定性の演出: 「先着100名様限定」「限定カラー」
- 段階的な価格設定: 3,000円〜50,000円程度で複数価格帯
- 体験型リターン: 工場見学権、開発者との交流会参加権など
- セット商品: 単品+関連商品のお得なセット
購入金額に対してリターン内容が釣り合わないと魅力を感じてもらえません。「待ってでも買いたい」と支援者に思ってもらえるようなリターンを準備しましょう。
共感されるストーリーと信頼性の確保
支援者はプロジェクトの背景や想いに共感して支援します。個人的な動機やエピソードも交え、心を動かす物語を伝えることが重要です。
【ストーリー作りのポイント】
- 課題の明確化: 何の問題を解決したいのか
- 解決策の提示: なぜその商品・サービスが必要なのか
- 未来像の描写: 実現したい世界観の共有
- 個人的な背景: なぜあなたがこのプロジェクトを行うのか
【信頼性確保の要素】
- 実績や受賞歴、メディア掲載実績の提示
- チームメンバーの紹介と顔写真の掲載
- 第三者からの推薦コメント
- 透明性のある資金使途の説明
戦略的な初動設計
プロジェクトの成否は最初の5日間で大きく左右されます。開始直後に20%達成を目指すための戦略的な準備が必要です。
【初動強化の具体策】
- 事前リスト作成: SNSフォロワーや見込み支援者リストを事前獲得
- 早期割引設定: 開始48時間限定の特別価格
- メディア連携: 公開日に合わせたプレスリリース配信
- インフルエンサー協力: 影響力のある人からの拡散協力
データ活用によるテストマーケティング
各プラットフォームごとに特色あるデータ活用が可能です
【活用できるデータ例】
- 支援者の流入元分析
- 性別・年代・居住地などの属性情報
- リターン別の人気度分析
- 時間帯別のアクセス傾向
これらのデータを一般発売時の効率的なマーケティングに活用することで、プロジェクト終了後の売上最大化にもつながります。
継続的なコミュニティ構築
クラウドファンディングを通じて獲得した支援者は、その後の貴重なファンベースとなります。プロジェクト終了後も関係を継続することで、次回プロジェクトの成功確率も高まります。
【ファン育成の手法】
- 「活動レポート」での継続的な情報発信
- 新商品開発時の事前相談
- 支援者限定イベントの開催
- SNSでの積極的な交流
3)実施時の注意点とリスク対策

目標未達のリスク
注意点: All-or-Nothing方式では目標額に届かず不成立になる可能性があります。
対策:
- 市場調査を事前に行い、達成可能な目標設定
- 入念なPR計画で達成率を高める
- 必要に応じてAll-In方式も検討
リターン履行の負担
注意点: 想定以上に支援が集まった場合、製造・発送負荷が増大します。
対策:
- 生産・発送計画に余裕を持たせる
- 発送代行サービスの活用を検討
- リターン数の上限設定も考慮
費用・手数料の見落とし
注意点: プラットフォーム手数料、送料、税金等のコストを見落としがちです。
対策:
- 手数料(10-20%)を含めた予算策定
- リターン発送費用の事前計算
- 税務処理の専門家への相談
法的・規制面の留意事項
注意点: 業界によっては特別な許可や表示義務があります。
対策:
- 薬機法、景表法などの関連法規の確認
- 必要に応じて専門家への相談
- プラットフォームの審査基準の事前確認
4)Makuakeでの成功事例から学ぶ

『ヒツジのいらない枕』シリーズ

プロジェクト概要:
- 支援総額: 累計18億円超
- 支援者数: 11万人超
- プラットフォーム: Makuake
- 期間: 複数回のプロジェクト実施
成功要因の分析:
- 継続的な改良: 支援者のフィードバックを製品に反映
- シリーズ展開: 枕→マットレス→布団と段階的に商品を拡大
- テストマーケティング活用: Makuakeでの実績を一般販売に展開
- ファンとの関係構築: 応援コメント機能を活用した双方向コミュニケーション
博多の老舗『やまや』新商品開発

プロジェクト概要:
- 支援総額: 累計2千万円超
- 支援者数: 3,800人超
- 成果: 複数商品が一般販売・量販店採用に成功
- プラットフォーム: Makuake
成功要因の分析:
- 既存ブランド力の活用: 老舗企業の信頼性と新挑戦の話題性
- テストマーケティング: 一般流通が困難な企画商品の市場テスト
- ファンの巻き込み: 既存顧客との新たな接点創出
- 商品化への展開: 応援購入の実績を営業材料として活用
学べるポイント: 既存企業でもクラウドファンディングの仕組みを活用することで新たな市場テストができること、ニーズの不確かな企画ほどテストマーケティングを行う価値があることが分かります。
5)プロジェクト終了後の対応

支援者への感謝と報告
プロジェクト終了後には、成功・未達にかかわらず、支援者への対応が重要となります。
【必須対応事項】
- 感謝メッセージの送信: 終了直後に支援者全員へ達成報告と感謝を伝達
- 今後の予定共有: リターン発送スケジュールや製品化予定の報告
リターンの確実な履行
【リターン発送のポイント】
- 品質最終チェック: 発送前の品質確認を徹底
- スケジュール管理: 約束した期日での確実な発送
- 特別感の演出: パッケージに工夫をして記憶に残る体験を提供
- 発送連絡: 発送時の連絡と追跡番号の共有
継続的な関係構築
【長期的な関係維持】
- 活動レポートの継続: プロジェクト終了後も開発進捗や商品リリース情報を共有
- SNSでの交流: 支援者との継続的なコミュニケーション
- 次回プロジェクトの基盤: 既存支援者は次回の強力な味方となる
これらの対応をしっかり行うことで、次回クラウドファンディングに挑戦するときも良いスタートが切れるでしょう。
6)よくある質問(FAQ)

Q1. 個人でもクラウドファンディングを始められますか?
はい、主要なプラットフォームは個人でも利用可能です。ただし18歳以上等の年齢制限がある場合があります。身分証明書等の本人確認書類の提出が必要です。
Q2. 目標金額に届かなかった場合はどうなりますか?
All-or-Nothing方式では支援金は全額返金され、プロジェクトは不成立となります。All-In方式では未達でも資金を受け取れます。目的に合わせて方式を選択することが大切です。
Q3. 費用はどのくらいかかりますか?
基本的に掲載料は無料ですが、成功時に調達額の約10-20%がプラットフォーム利用料として差し引かれます。その他、リターン品の製作・発送費用は自己負担となります。
Q4. 支援金の税務処理はどうすればよいですか?
支援金は所得として課税対象になる可能性があります。個人の場合は確定申告、法人の場合は適切な会計処理が必要です。詳しくは税理士等の専門家にご相談ください。
Q5. プロジェクト期間はどのくらいが適切ですか?
一般的に60〜90日程度で設定する場合が多いです。期間が短すぎると十分な認知が得られず、長すぎると支援者の関心が薄れる傾向があります。プロジェクトの性質や準備状況に応じて決定しましょう。
Q6. 初めての挑戦で成功するコツはありますか?
本記事で解説した通り、まず目的と目標を明確にし、入念な事前準備を行うことが重要です。特に開始5日間で20%達成を目指すと成功率が大幅に向上します。不安な場合は、プラットフォームの無料相談を活用することをおすすめします。
7)まとめ・次のアクション

クラウドファンディングは、適切な準備と戦略により高い成功率を実現できる手段です。重要なポイントを再確認しましょう
【成功の要点】
- 事前準備が成功の8割: 目的設定からプロモーション戦略まで入念に準備
- 初動が最重要: 開始5日で20%達成を目標に戦略的に実施
- 継続的なコミュニケーション: 支援者との信頼関係構築が鍵
- データ活用: テストマーケティングとして最大限活用
- リスク対策: デメリットを理解した上での挑戦
あなたのアイデアと情熱次第で、クラウドファンディングは夢実現への強力な手段となります。まずは本記事の6つのステップを参考に、プロジェクトの企画から始めてみてください。
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