3)ECサイトの購入率を高める施策

商品ページで購入前の疑問に答える
商品ページの改善では、問い合わせや購入者のレビューを読み、繰り返し出てくる疑問を探します。サイズが分かりにくいなら寸法と使用写真、他の商品との違いが伝わらないなら機能や使い方の比較を追加します。
たとえば容量の違う弁当箱を並べるなら、数字だけでなく、盛り付けた写真もあると量を想像しやすくなります。対応していない使い方や、使用上の注意も隠さず示してください。購入後の認識違いを防ぐ情報も、選ぶための判断材料になります。
送料・配送日・返品条件を検討中に確認できるようにする
商品の価格に納得していても、送料や到着時期が分からなければ購入を決めにくい場合があります。送料の条件、発送や到着の目安、返品・交換の条件を、商品を検討している段階で確認できるようにしましょう。
送料無料の対象額がある場合は、対象外となる地域や商品などの条件も併記します。納期が異なる商品を扱っている場合は、店舗全体の案内だけでなく、各商品の情報と食い違っていないか確認してください。
スマートフォンで注文まで操作してみる
実際のスマートフォンで商品選びから購入手続きまで進み、選択肢や入力項目を確かめます。色やサイズを選びにくくないか、入力エラーの理由が分かるか、必要な決済方法が使えるかを確認しましょう。
Google アナリティクス(ウェブサイトなどの利用状況を分析するツール)の購入経路レポートでは、セッションの開始から商品の表示、カートへの追加、購入手続きの開始、購入までの各段階に進んだユーザー数を確認できます。利用には対応する計測設定が必要です。
数字だけで離脱の理由を決めつけず、実際の画面や問い合わせと照らし合わせます。購入手続きに不具合が見つかった場合は、集客費用を増やす前に解消してください。
4)客単価と再購入(リピート購入)を増やす施策

一緒に使う商品やセットを提案する
関連商品がある店舗では、一緒に買う理由が分かる提案を試せます。弁当箱と対応する保冷バッグ、コーヒー器具とフィルターなど、使う場面で必要になる組み合わせを示しましょう。
セットにする場合も、単品で購入できるか、組み合わせると何が便利なのかを明確にします。セットの注文単価だけでなく、単品を含む注文数や、値引き後に残る金額も確認してください。値引きや店舗負担の送料が増えると、売上が上がっても利益が増えない場合があります。
上位商品は価格差に見合う違いを説明する
上位商品を案内するときは、高い商品へ誘導するだけでなく、誰に向いているかを伝えます。たとえば容量やお手入れの方法、使える場面の違いを示せば、顧客は自分に必要な機能かどうかを判断できます。
すべての人に上位商品を勧めず、基本商品で足りる用途も分かるようにします。提案後は客単価に加え、注文数や返品の変化も確認しましょう。
商品の使用周期に合わせて再購入を案内する
再購入(リピート購入)とは、同じ店舗で再び購入してもらうことです。食品や日用品などの消耗品では、過去の注文から次の注文までの間隔を調べ、配信を希望している顧客へ補充を案内する方法があります。
購入直後には使い方を伝え、買い足す頃には再注文しやすい導線を用意します。一方、財布や家具のように長く使う商品では、短期間の買い替えを促すより、お手入れや関連商品の情報が適している場合があります。
効果を見るときは、初回購入からの経過期間をそろえます。Shopifyの顧客コホート分析(初回購入時期などの共通条件で顧客をまとめ、行動を調べる方法)でも、初回注文時期とその後の再購入を確認できます。 購入直後の顧客と、購入から半年たった顧客の累計の再購入割合だけを比べないようにしましょう。
5)売上アップ施策の優先順位を決め、効果を確かめる

候補が出たら、対象商品を一つ決め、「何を変えるか」「どの数字を見るか」「費用をいくらまでかけるか」を書き出します。注文を妨げる不具合は先に直し、そのうえで自社の状況に合う施策を選びます。
増収だけでなく、増える費用も並べてみましょう。次は同じ期間に売上が20万円増えると仮定した、説明用の架空例です。商品代金は税・送料を除き、値引き後の金額とし、返品・キャンセルはない条件で比較しています。
| 項目 | 広告による集客 | 関連商品の提案 |
| 売上の増加 | 20万円 | 20万円 |
| 商品の原価の増加 | 8万円 | 8万円 |
| 原価以外の追加費用 | 8万円 | 3万円 |
| 増収から上記の増加費用を引いた額 | 4万円 | 9万円 |
原価以外の追加費用には、広告、ページ制作、決済手数料、梱包・配送、追加作業の人件費を含めた合計を仮定しています。制作費はこの比較期間に全額含めています。既存の家賃など変わらない費用は含めていないため、表の最終行は会社全体の利益ではありません。
この条件なら関連商品の提案を先に試す理由があります。ただし、関連商品の原価が高い場合や、提案によって注文数が減る場合は判断が変わります。実際には、自社の商品原価や注文実績に置き換えて試算してください。
実行時は、たとえば「商品Aに関連商品Bを案内し、Aを含む注文の客単価と同時購入件数を見る」と決めます。注文数、返品、追加費用も一緒に記録します。複数の変更を一度に行うと結果の理由を見分けにくいため、変更する範囲を絞りましょう。
変更前後を比べる際は、曜日構成やセールの有無、在庫、広告の配信先なども確認します。単純な前後比較だけでは、施策による売上増とは断定できません。注文が少ない場合は数件の違いで割合が大きく動くため、割合と実数の両方で判断してください。
6)品揃えを広げるなら、新商品の展開にMakuakeを活用する

ここまで紹介したのは、既存商品への集客や買いやすさを改善する方法です。
それに加えて、顧客の用途や要望に応える新商品を投入し、品揃えを広げる選択肢もあります。その場合は、一般販売の前に商品の魅力をどう伝えるか、どのような購入反応が得られるかを確かめることが検討課題になります。
Makuakeは、アタラシイものや体験の応援購入サービスです。ここでは、自社ECでの販売経験を踏まえ、新商品の展開に取り組んだ企業の事例を紹介します。
超極小ウォレット(宇内金属工業株式会社)

宇内金属工業株式会社は、自社ECなどでの販売を通じ、新商品の投入と商品数の拡大が必要だと感じたと述べています。同社は財布をリニューアルし、2025年に「超極小ウォレットONE」のプロジェクトを実施しました。
同社は、商品の魅力の伝え方などについて、一般販売時のページ制作に活かせる学びを得たと振り返っています。一般販売の準備につながった同社の事例は、新商品を加える際に、商品の伝え方を検討する参考になります。
新商品の展開を考える際は、どの用途や特徴を伝えるかを整理し、得られた反応をその後の商品ページや販売計画でどう検証するかまで決めておきましょう。販売先の選択肢を整理する場合は、販売チャネルの選び方も参考にしてください。
楽天・AmazonとMakuakeの違い|新商品の販売チャネルをどう選ぶか
7)まとめ|自社に合う施策を選び、小さく改善する

ECサイトの売上アップには、集客、購入率、客単価、再購入のそれぞれに打ち手があります。まずは自社の注文や問い合わせを確認し、取り組む商品と施策を一つ決めましょう。
施策を始める前に、見る数字と費用の上限を決めておくと、続けるか、内容を変えるかを判断しやすくなります。既存商品の改善と新商品の展開を分けて考え、自社の商品や顧客に合う方法を試してください。
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、多くの実行者とサポーターが出会い、新しい価値を生み出しています。Makuakeはクラウドファンディングの仕組みを活かしたサイトとして、単なる資金調達の場ではなく、「応援購入」という新しい文化を創造しています。
Makuakeの仕組みや活用事例、プロジェクトの進め方をまとめた資料をご用意しています。まずは資料請求から、はじめの一歩を踏み出してみてください。
【参考文献・出典】
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