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楽天・AmazonとMakuakeの違い|新商品の販売チャネルをどう選ぶか

新商品をどこで売るか。この問いは、商品が完成に近づいたタイミングで多くの実行者が直面します。楽天やAmazonに出すのか、自社のECサイトを立ち上げるのか、それとも応援購入サービス「Makuake」を使うのか。

それぞれのチャネルは、似ているようで構造がまったく違います。集まる顧客層も、商品との出会い方も、実績の蓄積のされ方も、それぞれに固有の特徴があります。違いを理解しないままチャネルを選ぶと、「商品自体は良いはずなのに、まったく動かない」という状況になりがちです。

アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」は、クラウドファンディングの仕組みを活かしたプラットフォームとして、特に新商品の最初の販売チャネルとして活用されています。この記事では、楽天・Amazon・自社ECといった主要なECチャネルとMakuakeの構造的な違いを整理し、どんな商品がどのチャネルから始めると効果的かを解説します。

▼この記事で分かること

  • 新商品の販売チャネル4つの整理
  • ECモール・自社EC・Makuakeの構造的な違い
  • 商品特性別のチャネル選びのポイント
  • Makuakeでの実績をその後のチャネル展開にどう活かすか
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▼目次
 

1)新商品の販売チャネル、どこを選ぶべきか── 4つの選択肢

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新商品をtoC向けに販売する場合、主なチャネルは大きく4つに分かれます。

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チャネル

代表例

特徴

①ECモール

楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング

集客力が高く、既に商品を探している層がアクセスする

②自社EC

Shopify・BASE等で構築する自社サイト

顧客との直接接点を持てるが、集客は自力で行う必要がある

③クラウドファンディング型ECプラットフォーム

Makuake、CAMPFIRE、GREEN FUNDING等

国内未発売の新商品を先行販売できる

④実店舗・卸

百貨店、専門店、量販店

商品の体験販売・小売バイヤーとの取引

それぞれのチャネルは独立しており、選択肢として並列に捉えられがちかもしれません。実際には、新商品を販売する場合は「どれか1つを選ぶ」というよりも、「どの順番で展開するか」という発想で組み立てる方が現実的です。

販路開拓全般の手法整理は販路開拓の手法10選|中小企業がリスクを抑えて成功させる「新基準」で解説しています。

 

2)顕在層と潜在層、誰に届けるかでチャネルは変わる

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販売チャネルの違いを理解する上で、最も大事な観点は「チャネルごとの顧客層」です。

顧客層は大きく2つに分けられます。

 

顕在層

「すでに欲しい商品が決まっている」「カテゴリで検索して比較する」層を指します。

例えば、「ワイヤレスイヤホン 3,000円以下」と検索して、レビューや価格を比較しながら購入する人たちです。

 

潜在層

「今まさに欲しい商品が決まっているわけではない」「面白そうなものや新しいものに反応する」層を指します。トレンドを発見すること自体を楽しみにしているアーリーアダプター層がここに含まれます。

 

チャネルごとの集客の違い

ECモールには検索カテゴリで集まる顕在層が多くを占めます。ここで強いのは、すでに知名度がある商品か、価格・スペックで明確な優位性がある商品です。

一方、新商品にはまだ検索キーワードが世の中に存在しないという根本的な問題があります。検索ベースのチャネルで露出を取るには、広告投下による検索トップ表示か、SEO対策でカテゴリ検索の上位を取るかしかなく、いずれもコストとノウハウが必要になります。

クラウドファンディング型ECプラットフォームは、この問題を別の角度から解決しています。ユーザーが「新着」「人気」といった枠でウィンドウショッピング感覚で商品を見つけるため、検索されない新商品でも目に触れる機会が生まれます。集まっているのは「新しいものを発見すること自体を楽しむ潜在層」であり、ECモールとは集客の仕組みそのものが異なります。


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3)楽天・Amazon・自社EC・Makuakeの構造的な違い

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それぞれのチャネルの構造を、定性的な観点で整理します。

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観点

ECモール

自社EC

クラウドファンディング型ECプラットフォーム

主な顧客層

検索で来る顕在層

ファン・指名買い層

新しいものに反応する潜在層

流入の仕組み

検索・カテゴリ閲覧

自力集客(広告・SNS)

プラットフォーム経由の送客+話題化

商品との出会い方

比較検討して購入

ブランドへの信頼が起点

ストーリーへの共感から応援購入

実績の蓄積形

レビュー・販売数

リピート率・LTV

応援購入額・サポーター数・応援コメント

広告・運用ノウハウ

出店者の広告投下が前提

集客スキル必須

プラットフォーム側の集客導線あり

適した商品ライフサイクル

認知済み・量産フェーズ

リピート売り・関係構築フェーズ

デビューフェーズ・テストフェーズ

それぞれが優れているか劣っているかという話ではなく、集めている顧客層と、商品との出会い方が違うということです。だからこそ、商品のフェーズによって向いているチャネルが変わります。

新商品をいきなり既存のECモールに投入すると、検索トップに表示するための広告投下と、レビューが溜まるまでの時間が必要になります。一方、自社ECは集客を完全に自力で行う必要があり、SNSフォロワーや顧客リストが手元にない段階では露出が極端に少なくなります。

D2Cブランドの集客に関する論点はD2Cのメリット・デメリットと「集客の壁」を越える戦略とは?で詳しく扱っています。

 

4)応援購入サービス「Makuake」が新商品の最初のチャネルとして使われる理由

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クラウドファンディング型ECプラットフォームの中でも、Makuakeは特に新商品のデビューに活用される機会が多いサービスです。Makuakeは累計応援購入総額1,200億円を突破、累計会員数340万人以上、累計プロジェクト数50,000件を超え、多くのサポーターのみなさまと実行者が出会える場となっています(2026年3月末実績)。

Makuakeが新商品の最初のチャネルとして使われる理由は、大きく4つあります。

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①アーリーアダプター層が日常的にサイトを訪れている

Makuakeには「新しいもの・面白いもの・こだわりのあるもの」を探すサポーターが日常的に訪れています。商品名が知られていない段階でも、新着のプロジェクトとして目に触れる機会が生まれるため、検索キーワードがまだない新商品でも見込み客への露出を確保できます。


②キュレーターによる設計サポート

Makuakeでは、プロジェクトを立ち上げる実行者ごとにキュレーターが付き、ページ構成・リターン設計・公開タイミング・PR施策まで一気通貫でサポートします。新商品の立ち上げ経験がない実行者でも、実績データに基づいた設計の知見を活用できます。プロジェクトの組み立て方の全体像ははじめてのMakuake(マクアケ)|クラウドファンディング型ECの始め方と成功のコツを参考にしてください。


③応援コメントが商品ストーリーとして残る

Makuakeのサポーターは、商品を応援購入するだけでなく、応援コメントを投稿します。「なぜこの商品を選んだか」「どこに価値を感じたか」といった生の声が、プロジェクトページに蓄積されます。これは商品改善のフィードバックとしても、その後のチャネル展開時の信頼の材料としても機能します。応援購入の文化的な側面は口コミマーケティングとは? 新商品を成功させる「応援購入」の極意で扱っています。


④達成実績が、その後の信頼資産として残る

「Makuakeで○万円を達成」「○○人のサポーターが応援購入」という実績は、その後のメディア露出・小売バイヤーとの交渉・卸取引の交渉材料として機能します。新商品は「売れるかどうか分からない段階」では卸や小売の取引対象になりにくいですが、応援購入の数字を持つことで第三者からの評価のハードルを下げられます。


5)チャネルを組み合わせる:Makuakeでデビューしてから他チャネルに展開するルート

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Makuakeと既存のECモールの関係性は、代替手段ではなく順番の問題として捉えるのが現実的です。

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典型的な商品展開の流れ

1. Makuakeで先行販売・テストマーケティング:新商品をデビューさせ、応援購入の実績と応援購入者データを蓄積する

2. メディア露出・SNSでの話題化:プロジェクト期間中・終了後にメディアからの取材依頼や話題化が発生する

3. ECモールでの一般販売:Makuakeでの実績を「販売実績」として広告クリエイティブやLPに活用しながら、楽天・AmazonなどのECモールで本格展開を行う

4. 自社EC・実店舗への波及:自社ECでのリピート顧客獲得や、小売バイヤーとの卸取引につなげる

このルートの強みは、それぞれのチャネルが集めている顧客層を順番に獲得できる点です。最初は潜在層の応援購入で実績を作り、その実績を武器に顕在層へリーチを広げる流れです。


クラウドファンディング後のメディア掲載の取り方はメディアリレーションとは? 取材・メディア掲載を獲得する5つのやり方とMakuake事例、宣伝方法全般はクラウドファンディングの宣伝方法とは?|15の打ち手と成功事例が参考になります。 

 

6)どのチャネルから始めるべきか── 商品特性別の選び方

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商品の特性によって、どのチャネルから始めるのが効率的かは変わります。代表的なパターンを整理します。

 

既に類似商品が多数ある定番カテゴリの新商品

ECモール起点が機能する場合があります。検索ボリュームが既に存在するため、広告投下と価格設計で勝負しやすい商品です。ただし、既存大手の商品に埋もれるリスクは常にあるため、明確な差別化要因(価格・スペック・ブランド)が必要になります。

 

国内未発売・新ジャンル・ストーリー性のある新商品

クラウドファンディング型ECプラットフォーム起点の販売が向いています。検索キーワードがまだない段階でも、新着としての露出と、ストーリーへの共感による応援購入が機能します。新ジャンルの商品コンセプトの伝え方は商品コンセプトの作り方とは?ヒット商品に学ぶ成功事例と5つの設計ステップもあわせて参考にしてください。

 

既存のファン基盤があるブランドの新商品

自社EC起点が機能します。既存顧客リストへの告知だけで一定の売上が立ち、リピートの分析もしやすい構造です。ただし、新規顧客の獲得は別途設計する必要があります。

 

BtoB主軸でtoC初挑戦の商品

クラウドファンディング型ECプラットフォーム起点が向いています。toC顧客接点がないところからのスタートで、応援購入の数字とフィードバックを「最初のtoC実績」として手に入れられるためです。BtoB企業のtoC参入についてはBtoB企業がtoC向け新商品開発の壁を乗り越えるにはで詳しく扱っています。

 

中小企業・個人事業主の新規事業

複数のチャネルを並行運用するリソースがない場合は、まず1チャネルに集中する方が現実的です。新商品でストーリー性があるならクラウドファンディング型ECから、既存事業の延長で量産品を増やすならECモールから、というのが基本の判断軸になります。中小企業向けの活用論点は中小企業がクラウドファンディングで資金調達!成功するためのポイントとはを参照してください。


7)応援購入サービス「Makuake」での事例

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ここでは、Makuakeを起点に他のチャネルへ展開していった実行者の事例を2つ紹介します。

事例1|SURUTTO(個人事業主)

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【基本情報】

  • ブランド:SURUTTO
  • 達成金額:15,894,900円・サポーター970人
  • 商品:フライパン
  • プラットフォーム:Makuake
  • 過去実績:フライパンを中心に7回のプロジェクトを継続実施

 

【成功の要因分析】

SURUTTOはMakuakeを使う前、卸販売を中心に活動しており、ECチャネルとしてはAmazonのみで販売していました。本格的にECを始めるにあたって、ビジネススクールで「ECを始めるならまずMakuakeかGREEN FUNDINGを試すべき」とアドバイスを受け、GREEN FUNDINGが(当時は)法人限定だったことから、個人事業主だった同氏はMakuakeを選択しました。

選択の決め手は、Amazonでは初期資金とロットの問題があったのに対し、Makuakeでは先に資金を確定させてから仕入れ数を決められる点でした。物販における「先に在庫を仕入れて、後から売る」というキャッシュフロー構造の問題を、構造的に解決する手段として活用しています。

実施結果は初日の反響が予想以上で、970人のサポーターから1,589万円の応援購入を獲得しました。同氏が継続利用の理由として挙げているのは、Makuakeユーザーの熱量の高さです。「ユーザーが協力的に意見をくれ、応援してくれる。これはAmazonでは経験できなかった」と振り返っています。

 

【この事例から学べるポイント】

この事例は、Makuakeを「Amazonに出す前の助走期間」として使うという発想を示しています。Makuakeでの達成実績は、その後のAmazonの商品ページに「販売実績」として記載でき、レビューが溜まる前の認知形成にも役立ち得ます。チャネルを切り替えるのではなく、順番に重ねる組み合わせ方の事例として参考になります。同氏はその後もフライパンを中心に7回プロジェクトを継続しており、Makuakeを継続的なテストマーケティングと新商品デビューの場として活用しています。

詳細はこちら → フライパンで1,589万円達成|個人事業主で物販キャッシュフローを解決

 

事例2|NANGA(株式会社ナンガ)

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【基本情報】

  • ブランド:NANGA
  • 達成金額:1SKUあたりの創業以来最高売上
  • 商品:寝袋+エアマットのセット商品
  • プラットフォーム:Makuake

 

【成功の要因分析】

アウトドアブランドとして既に認知のあるNANGAは、Makuakeを「新しいターゲット層(キャンプエントリー層)を取りに行くチャネル」として位置付けました。NANGAの技術が詰まった寝袋を、エントリーモデルとして始めやすい価格帯で設計し、既存顧客とは違う層への間口拡大を狙いました。

「寝袋+マット」のセット販売は同社にとって新しい販売方法で、過去にマット単体での販売はビジネスとして成功しなかった経緯がありました。当初は「既存顧客から離れて評価されるか」という不安があったものの、Makuakeでの顧客データや広告に反応したユーザーの属性を把握できたことで、自信を持って一般販売へ進む判断ができたと同社は振り返っています。

結果として、想定を大きく超える売上に加え、Makuake実績やメディア掲載を見た小売店から、新規含めて40店舗以上から取り扱い希望の反響がありました。

 

【この事例から学べるポイント】

この事例は、Makuakeでの達成実績が小売・卸チャネルへの「入口」として機能することを示しています。新商品を最初から実店舗に並べてもらうのは難易度が高いですが、応援購入の数字と話題化があると、小売バイヤーとの初回商談の温度感が変わります。

加えて、同社の代表は「Makuakeがなかったら今回の商品は世の中に出なかった、企画会議にかけたとしても新商品展開には至らなかった」とコメントしています。これは、Makuakeが既存ECチャネルに加えて、社内の新商品アイデアの芽を潰さない場としての役割も果たしていることを示しています。実店舗・卸への展開を視野に入れる実行者にとって、Makuakeはオンライン販売の場であると同時に「次のチャネル開拓のための実績作りの場」としての側面を持ちます。

詳細はこちら → NANGA寝袋セットで創業以来最高売上達成|アウトドア新商品テストマーケティング

 

8)まとめ:チャネルは選ぶものではなく、組み合わせるもの

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新商品の販売チャネルについて、本記事の要点を整理します。

  • ECモール・自社EC・クラウドファンディング型ECプラットフォーム・実店舗の4つは、集めている顧客層と商品との出会い方が構造的に異なる
  • 新商品はまだ検索キーワードがないため、検索ベースのチャネル(ECモール)では埋もれやすい。潜在層が新着で発見してくれる場としてクラウドファンディング型ECが機能する
  • 楽天・Amazon・自社ECとMakuakeは代替関係ではなく、順序立てて組み合わせるものとして捉えるのが現実的
  • 商品特性によって始めるべきチャネルは変わる。新ジャンル・ストーリー性のある新商品・BtoB主軸からのtoC参入であれば、Makuakeを起点にする選択肢が機能しやすい

 

販売チャネルは、最初の1つを選んで終わりではなく、商品のフェーズに合わせて重ねていく流れで設計すると、結果として無駄な広告投下と機会損失を抑えられます。Makuakeで応援購入の実績を作り、ECモールで顕在層を取り、自社ECでリピート関係を築き、実店舗で体験販売を行う。この順番で進めていくのが、新商品の販売チャネルの基本パターンです。

ジャンル別の幅広いMakuake事例はMakuake成功事例20選|ジャンル別に学ぶプロジェクト設計のポイントにまとめています。

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