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商品開発とは?新商品づくり6つのステップと成功ポイント【事例付き】

この記事では、商品開発とは何かという基本概念から、具体的な手法・成功のポイント・実際の事例まで幅広く解説します。
商品開発に取り組む企業担当者や起業家の方にとって、「どう進めれば成功できるのか」「失敗しないためのポイントは何か」という課題解決につながる実践的な情報をお届けします。

 
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Makuakeトレンドメルマガでは、Makuakeの売れ筋商品・サービスをランキング形式で毎週月曜朝にお届けします。ぜひ、このメールマガジンを貴社の商品開発や出店・出品計画の参考情報としてお役立てください。

【このような方におすすめ】
・新商品を販売開始する前に、Makuakeのトレンドを理解したい方
・季節やニーズのトレンドを商品開発やマーケティングに役立てたい方

 

1) 商品開発とは何か?(基本概念と重要性)

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商品開発とは、新しい商品やサービスを企画し実際に形にして市場に送り出す一連の活動のことです。単にアイデアを考えるだけでなく、市場調査・試作・改良・販売戦略にわたるプロセスを含みます。

自社開発商品は利益率が高く、ブランド価値向上にも寄与するため、企業競争力の要となります。特に近年の市場環境では、消費者ニーズの多様化や競争激化により、独自性のある商品開発がより重要になっています。

商品開発には以下のような効果が期待できます:

  • 利益率の向上:独自商品により価格決定権を持てる
  • ブランド力強化:オリジル商品による差別化
  • 顧客ロイヤルティ向上:ユニークな価値提供による顧客定着
  • 市場シェア拡大:新たな顧客層へアプローチ可能

ただし、新商品開発の成功率は10%未満とも言われており、適切な戦略と手法が不可欠です。

 

商品企画との違い

商品企画と商品開発はどう違うのでしょうか?

商品企画は「何を作るか」を考えるプロセスです。それに対し、商品開発は「どのように形にするか」を担うプロセスです。

具体的な違いを表で整理すると以下のようになります:

項目

商品企画

商品開発

主な役割

アイデア発想・コンセプト策定

実際の製品化・技術開発

検討内容

市場ニーズ調査・ターゲット設定

設計・試作・品質管理

成果物

企画書・コンセプトシート

試作品・製品仕様書

関係部門

マーケティング・営業

技術・製造・品質管理

商品企画は市場ニーズの調査をもとに商品のコンセプトやアイデアを考える段階です。一方で商品開発は、そのアイデアを実際の製品として形にする段階を指します。

実務では企画と開発が密に連携し、アイデアに応じて開発側から提案されることもあります。アイデアを実現するなかで企画内容が修正されることもあり、両者が循環的に関わるケースも少なくありません。

2)商品開発の主要ステップと流れ

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商品開発は次のような6つのステップで進めると効果的です。各段階での目的と具体的な取り組みを理解することで、体系的に商品を開発できます。

 

市場リサーチとニーズ分析

まず市場調査を行い、需要と競合動向を把握します。この段階は商品開発の成否を左右する重要なフェーズです。


【市場規模の把握】

  • 対象市場の規模と成長性を数値データで確認
  • 自社が参入すべき領域かどうかを検討
  • 市場の将来性と持続可能性を評価

【競合分析】

  • 既存商品の価格帯・機能・ユーザー評価を調査
  • 競合商品の口コミや評価を調べ、不満点(=改善のチャンス)を探る
  • 競合の強み・弱みを客観的に分析

【顧客ニーズ調査】

  • アンケート調査やインタビューでユーザーの声を収集
  • 潜在ニーズの発掘(顧客自身も気づいていない課題)
  • ペインポイント(困りごと)の特定

例えば、ある調査では新商品アイデアの9割は市場で成功に至らないと言われています。そのため、着手前に市場環境を見極めることがとても重要です。リサーチを適切に行うことで成功率を高められるため、この段階で十分な時間と資源を投資することが大切です。

競合が多い市場では差別化要素が必須です。他方で、競合が少なすぎる市場ではニーズ自体を慎重に検証する必要があります。十分に市場を理解することが成功を左右します。

 

ターゲット設定とペルソナの明確化

次に、商品が誰のためのものかを明確にします。ターゲットは「20代女性」のように大まかではなく、地域・職業・価値観まで具体的に絞り込みます。

ターゲット設定のポイント:

  • 地理的属性:居住地域・商圏
  • 人口統計的属性:年齢・性別・職業・収入
  • 心理的属性:価値観・ライフスタイル・趣味嗜好
  • 行動的属性:購買行動・メディア接触状況

【ターゲット例】 

都市部在住で通勤時間が長い20代後半の会社員女性(ガジェット好き、効率性重視、SNS活用、月収25万円、独身)

さらに詳細なペルソナ(典型的ユーザー像を具体化したモデル)を設定することで、商品コンセプトや機能の優先順位が明確になります。ペルソナには名前や写真、1日のスケジュール、悩みや願望まで設定すると、チーム内での共通認識が深まります。

ターゲットを具体化するほど、その後の商品の魅力訴求マーケティング戦略が立てやすくなります。

「あなたの商品は誰の課題を解決しますか?」この問いに明確に答えられるまで、ターゲット設定を深めることが成功への第一歩です。

 

商品コンセプトの策定

続いて、商品のコンセプト(基本理念)を策定します。コンセプトとは商品が顧客にもたらす価値を端的に表したものです。「○○な価値を提供する△△」といった形で一言で言い表せるものが理想です。

良いコンセプトの条件:

  •  誰にどんな価値を提供するかが一目でわかる
  • 他の商品にはない独自性を感じられる
  • ターゲットにとって魅力的で共感できる 
  • 実現可能で具体的な内容である

【コンセプト例】 

「忙しいビジネスパーソンが1分でリラックスできる携帯アロマ」

  • ターゲット:忙しいビジネスパーソン
  • 価値:1分でリラックスできる
  • 手段:携帯可能なアロマ製品

コンセプト策定にはチームでアイデアを出し合い、ストーリーボードや図解で視覚的に共有することも効果的です。顧客の1日の流れの中で、どの場面でどんな価値を提供するかを具体的にイメージできるまで練り上げましょう。

曖昧なコンセプトでは顧客に選ばれません。「○○と言えばこの商品!」と思ってもらえるような明確な軸を作ることが重要です。

 

マーケティング戦略の立案

商品を成功させるには、売り方の戦略も欠かせません。この段階で以下の要素を具体的に決定します:

【価格設定】 原価や市場価格帯を踏まえ、利益が出る価格を決定します。競合商品の価格調査、原価計算、目標利益率から逆算した価格設定を行います。

【販売チャネル】 自社ECサイトか店舗か、ターゲットが利用する経路を選択します。オンライン・オフライン・両方の組み合わせなど、顧客の購買行動に合わせた最適なチャネルミックスを構築します。

【プロモーション】 SNS広告・口コミ促進・店頭キャンペーンなど複数手法を組み合わせます。例えば若年層向けの商品ならInstagramやTikTokで動画プロモーションを行うと効果的です。

この段階で、自社商品の売り文句(USP:独自の売りのポイント)も明確に言語化します。他社にはない特徴を一文で言えるようにしておくと、広告やLP(ランディングページ)で訴求しやすくなります。

マーケティング戦略は、前段階で設定したターゲット・ペルソナと整合性を保つことが重要です。誰に・何を・どうやって伝えるかの一貫性を保ちましょう。

 

試作品の制作とテストマーケティング

商品化前に試作品(プロトタイプ)を作り、実際に市場でお試し販売=テストマーケティングを行います(テストマーケティング:本格販売前に試験的に売って市場の反応を見る手法)。

テストマーケティングの主な手法:

手法

コスト

期間

データ精度

適用場面

限定店舗販売

1-3ヶ月

地域限定検証

自社サイト販売

2-4週間

既存顧客検証

クラウドファンディングの仕組み

低-中

1-2ヶ月

市場需要検証

モニター調査

中-高

2-6週間

非常に高

詳細フィードバック収集

クラウドファンディングの仕組みを活用するメリット: 近年ではクラウドファンディングの仕組みを活用し、消費者からの応援購入という形でテスト販売をする事例も増えています。

クラウドファンディングの仕組みでは、目標金額や支援者数といった形でユーザーの反応が数字で得られます。また、支援者のコメントから商品への要望を集めることも可能です。その資金をもとに改良や量産準備をして、商品販売に成功すればそのまま話題作りにもなります。

注意点: テストマーケには時間やコストがかかることや、事前に商品情報が公開されるため競合に真似される可能性もあります。期間を区切って実施し、得られたフィードバックを迅速に分析することが重要です。

この段階で得られたフィードバックをもとに、商品仕様やマーケティング計画をもう一度見直すことが成功への近道です。ユーザーの生の声こそが、商品改良の宝といえるでしょう。

 

最終調整・プロモーション実施と市場投入

いよいよ商品を市場に投入します。本格販売にあたっては、大々的なプロモーションで認知度を高めましょう。

効果的なプロモーション手法:

  •  SNS広告:商品ページへのアクセスを集める
  • メールマーケティング:既存ファンに向けて発売告知 
  • 店頭キャンペーン:実物に触れてもらう体験機会
  •  インフルエンサー活用:信頼性のある第三者からの推薦
  •  プレスリリース:メディア露出による話題作り
  •  ハッシュタグキャンペーン:UGC(ユーザー生成コンテンツ)促進

初速を出すための施策:

  • 先着○名限定割引
  • 発売記念キャンペーン
  • リリース発表会・体験イベント開催
  • 既存顧客への先行案内

Makuakeなどで事前にサポーターがいる場合は、サポーターに商品の正式リリースを報告し、口コミ投稿を依頼することも効果的です。テストマーケティング参加者を本番拡散に活用することで、信頼性の高いプロモーションが実現できます。

発売後も、売れ行きを注視しつつ必要に応じてプロモーションを強化・調整します。プロモーション施策を単発で終わらず、継続的に実施することで、市場での定着を図ることが重要です。

3) 商品開発を成功させるポイントと注意点

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一通りの手順を理解したところで、ここでは成功事例の共通ポイントや陥りがちな失敗(注意点)について整理します。

商品開発は常に成功するわけではないため、失敗を振り返り、次に活かしていくことの重要性がよく語られます。例えば、ユニクロ創業者の柳井氏は「一勝九敗(新規事業は10回やって1回成功)」と述べています。つまり失敗を前提に工夫を重ねることが大切です。

 

成功に導くための重要ポイント

顧客目線を最優先する
開発者の思い込みではなく、徹底した市場調査やユーザーテストで得た声を商品に反映させます。顧客の潜在的な欲求まで読み取る洞察力が成功を左右します。成功したプロジェクトの多くは、ユーザーのフィードバックを何度も商品改良に活かしています。

部署横断のチームワーク
商品開発は企画・開発・製造・販売など多くの部署が関わります。部署間で情報共有を密に行い、一体となって進めることで課題を迅速に解決できます。定期的な進捗共有会や、部署を超えたプロジェクトチームの設置が効果的です。

スピードと柔軟性
市場変化に素早く対応し、意思決定を迅速に行うことが重要です。完璧を目指すよりも、まず市場に出してユーザー反応を見ながら改善を重ねるアプローチが成功率を高めます。

独自価値の明確化
価格と品質のバランスを取りつつ、競合にない独自の価値提案を明確にすることが差別化につながります。「なぜこの商品でなければならないのか」を一言で説明できる強いコンセプトが必要です。

小さく始めて改善を重ねる
いきなり完璧を目指すより、まず小規模に発売し、ユーザーの声を反映して改良するほうがヒットする確率が上がります。リーンスタートアップの考え方を取り入れ、仮説検証を繰り返すことが成功への近道です。

 

商品開発で陥りやすい落とし穴(注意点)

需要読み違いによる在庫リスク
「作れば売れるだろう」と大量生産したものの売れ残り、在庫処分で赤字となる失敗例も少なくありません。市場テストの結果が芳しくない場合は生産量を絞り、まずは小ロットで様子を見るなどリスクヘッジしましょう。

ユーザーニーズ軽視の危険
市場の声を取り入れず、社内の熱意だけで進めて出来上がった商品は、独りよがりなものになる恐れがあります。必ずユーザー調査やテスト販売でフィードバックを集め、客観的な視点で企画を見直すプロセスを入れましょう。

開発期間の長期化リスク
完璧を求めすぎて開発期間が長引くと、市場のタイミングを逃したり、競合に先を越されたりする危険があります。MVP(最小実用製品)の考え方で、まず基本機能から市場投入することを検討しましょう。

コストオーバーによる利益圧迫
開発過程で仕様変更や追加機能を盛り込みすぎたために想定以上にコストがかかって、利益が出なくなるケースがあります。開発初期に予算上限を設定し、定期的にコスト管理を行うことが重要です。

競合による模倣リスク
テストマーケティングで商品情報を公開することで、競合に真似される可能性があります。特許出願や商標登録など、知的財産権を保護する対策も同時に検討しましょう。

失敗から学ぶ姿勢を持ち、これらのリスクを事前に認識して対策を講じることで、成功率を向上させることができます。

4) 商品開発の成功事例【Makuakeテストマーケティング編】

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ここで、実際に新商品開発を成功させた事例を見てみましょう。特にクラウドファンディングの仕組みを活用してテストマーケティングから大ヒットにつながったケースをご紹介します。

 

寝具ブランド「ヒツジのいらない枕」シリーズ

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基本情報

寝具ブランド「ヒツジのいらない枕」の事例です。これはMakuakeでのテストマーケティングから生まれた商品で、2019年に枕のプロジェクトを実施しました。

成果

その結果、シリーズ累計で8万個を売り上げ、応援購入総額は4億円を突破しています。単一商品からスタートし、現在では寝具の総合ブランドとして成長を遂げました。

成功のポイント

ユーザーボイス重視: プロジェクト後も購入者からアンケートを取り、高さ・硬さ・素材を改良し続けた
コンセプトの明確化: "羊を数えなくても眠れる"というわかりやすいコンセプトで訴求
シリーズ展開: 枕だけでなくマットレスや布団までラインナップを広げ睡眠ソリューションブランドに成長
継続的な改善: 支援者の声をもとに素材や設計を継続的にアップデートし続けた

 

燕三条の老舗ブランド「仔犬印」シリーズ

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基本情報

業務用厨房製品で70年の歴史を持つ新潟県燕三条のブランド「仔犬印」が、家庭向けに開発した「給食缶」のプロジェクトです。2021年から2023年にかけて、3つのプロジェクトを連続で実施し、Makuakeを新商品開発のテストマーケティングの場として活用しました。

成果

3つのプロジェクトはいずれも大成功を収め、その応援購入総額は累計で約4,000万円を突破。Makuakeでの成功をきっかけに、同製品はシリーズ化し、限定カラーやサイズ違いのモデルも登場。多くのファンを獲得し、新たな主力商品へと成長しました。

成功のポイント

反響を活かした商品改良: 最初のプロジェクトで得られたサポーターの声を元に、高さや容量を見直した新モデルを開発。サポーターのフィードバックを次の商品に反映させることで、ニーズを的確に捉え続けた。

限定性とシリーズ展開: 継続的なプロジェクト実施により、新作が出るたびにサポーターが集まる仕組みを構築。限定色や別注モデルを出すことで、リピーターの購入意欲を刺激した。

ストーリーの継続: 70年以上の歴史を持つブランドの技術や想いを、各プロジェクトで丁寧に伝え続けた。支援者は単に商品を購入するだけでなく、ブランドの成長を応援する体験を楽しんだ。

継続的な関係構築: 各プロジェクトの終了後も、活動レポートを通じて支援者とコミュニケーションを取り、ブランドへのエンゲージメントを高めた。

 

5) まとめ:商品開発成功の鍵と次のアクション 

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商品開発とは新しい商品やサービスを企画し実際に形にして市場に送り出す一連の活動であり、適切なステップを踏めば成功率を高められます。市場リサーチからテストマーケティングまで、一貫してユーザー視点を持つことが成功の鍵です。

特に重要なのは以下の3点です:

  1. 徹底した市場調査とユーザーニーズの把握
  2. 小規模テストマーケティングによるリスク軽減
  3. 継続的な改善とフィードバック活用

最初から完璧を目指す必要はありません。少しずつ改善を重ね、失敗を糧に成長することでヒット商品に近づいていきます。成功率が10%の世界だからこそ、正しい手法と継続的な努力が成功への鍵となります。

もし「良いアイデアはあるけど市場の反応が不安だ…」と感じているなら、ぜひMakuakeをテストマーケティングにご活用してください。

Makuakeは新商品を応援購入という形で市場にお披露目できるプラットフォームです。プロジェクトを通じて集まった応援購入者の声は、商品改良や販路拡大の大きな力になります。

専門スタッフによるプロジェクト支援や、商品をPRする機会などもご提供しており、商品開発の各段階でサポートを受けることができます。貴社の商品の可能性を試す第一歩として、Makuakeでのプロジェクト開催を検討してみませんか?

ぜひ一度お気軽にご相談ください。貴社の商品開発の成功を応援しています。

 

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