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商品コンセプトの作り方とは?ヒット商品に学ぶ成功事例と5つの設計ステップ

アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、画期的なコンセプトを持つ新商品が数多く誕生しています。

しかし、「機能は良いのに売れない」という悩みを抱える商品企画担当者の方も少なくありません。実は、こうした商品の大半は、コンセプト設計が曖昧なケースがほとんどです。

この記事では、商品コンセプトの定義から、具体的な作り方、ヒット商品の成功事例、そして市場での検証方法まで、幅広く解説します。

新商品の企画に携わる方、事業開発を担当する方に向けて、実践的なテンプレートとともにお届けします。

 
 
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Makuakeトレンドメルマガでは、Makuakeの売れ筋商品・サービスをランキング形式で毎週月曜朝にお届けします。ぜひ、このメールマガジンを貴社の商品開発や出店・出品計画の参考情報としてお役立てください。

【このような方におすすめ】
・新商品を販売開始する前に、Makuakeのトレンドを理解したい方
・季節やニーズのトレンドを商品開発やマーケティングに役立てたい方

 

 

1)商品コンセプトとは何か?重要性と定義

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商品コンセプトは、単なるアイデアやキャッチフレーズではありません。企業と顧客の間で交わされる「約束」であり、商品開発の指針となるものです。

 

「誰に・どんな価値を・どう提供するか」の約束

商品コンセプトとは、「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」を明確に定義したものです。これは商品開発チーム全員が共有すべき指針であり、マーケティング戦略の土台となります。

優れたコンセプトは、ターゲット顧客の具体的な課題を解決し、競合との差別化を実現します。曖昧なコンセプトのままでは、開発段階で方向性がブレて、結果として誰にも響かない商品が生まれてしまいます。

 

コンセプトが曖昧な場合に起こる3つのリスク

明確なコンセプトがないまま商品開発を進めると、以下のような問題が発生します。

  • ターゲットがブレて広告費が無駄になる
    誰に向けた商品かが不明瞭なため、マーケティング施策の効果が分散し、費用対効果が低下します。
  • 開発チーム・関係者の認識がズレる
    チーム内で商品の方向性が統一されず、機能追加の優先順位やデザインの判断基準が定まりません。
  • 顧客に商品の魅力が「自分ごと」として伝わらない
    コンセプトが曖昧だと、顧客は商品の価値を理解できず、購入に至りません。

 

2)【事例分析】ヒット商品はコンセプトが9割

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抽象的な理論だけでは、優れたコンセプトは生まれません。ここでは、明確なコンセプトによって市場を席巻した2つの事例を詳しく分析します。

 

スターバックスコーヒー

【基本情報】

  • 企業名: スターバックスコーヒー
  • 業界: カフェ・飲食業
  • 特徴: コーヒーチェーンから「サードプレイス」を提供するブランドへ

【成功の要因分析】

当時のアメリカでは、カフェは喫煙可能で騒がしく、コーヒーは単なる飲み物として消費される場所でした。スターバックスは、この市場環境に対して「自宅でも職場でもない第三の居場所(サードプレイス)」というコンセプトを打ち出しました。

このコンセプトの核心は、コーヒーの品質だけでなく、空間体験そのものを商品として再定義した点にあります。禁煙環境、落ち着いた音楽、快適な座席、Wi-Fi環境を整備し、「ゆったりと過ごせる場所」を提供しました。

結果として、スターバックスはコーヒーの価格を従来の2倍以上に設定しても支持され、世界中に3万店舗以上を展開する巨大ブランドへと成長しました。単なるカフェではなく、ライフスタイルの一部として文化に浸透したのです。



RIZAP

【基本情報】

  • 企業名: RIZAP株式会社
  • 業界: フィットネス・健康産業
  • 特徴: 結果にコミットする完全個室パーソナルトレーニング

【成功の要因分析】

従来のフィットネスジムは、会員に場所と器具を提供するだけで、結果は会員の自己責任という構造でした。多くの人が「続かない」「痩せられない」という不満を抱えていました。

RIZAPは「結果にコミットする」という明確なコンセプトのもと、専属トレーナーによる完全個室指導と食事管理を組み合わせたプログラムを提供しました。最も重要なのは、30日間全額返金保証という形で、企業側がリスクを引き受けた点です。

劇的なビフォーアフターを前面に出したテレビCMも話題を呼び、短期間で業界トップクラスのブランドに成長しました。単なるトレーニング施設ではなく、確実な成果を約束するサービスとして認知されたのです。


3)売れる商品コンセプトの作り方 5つのステップ
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ここからは、実際に商品コンセプトを作る具体的なステップを解説します。各段階で押さえるべきポイントを、実践的な視点でお伝えします。


【STEP1】市場調査とターゲット(ペルソナ)の設定

商品コンセプトの出発点は、ターゲット顧客を明確にすることです。「30代女性」「会社員」といった大まかな属性ではなく、ライフスタイルや価値観、抱えている課題まで具体的に描き出します。

効果的なペルソナ設定では、以下の要素を明確にします。

  • 年齢、性別、職業、年収などの基本属性
  • 日常的な行動パターンや時間の使い方
  • 情報収集の方法(SNS、検索エンジン、口コミなど)
  • 現在抱えている具体的な悩みや不満
  • 理想とする生活や達成したい目標

市場調査では、競合商品の分析だけでなく、実際のターゲット層へのインタビューやアンケートを実施することで、机上の想定と現実のギャップを埋めることができます。


【STEP2】顧客のインサイト(隠れた不満)の深堀り

表面的なニーズだけでは、差別化された商品は生まれません。顧客自身も気づいていない「インサイト(洞察)」を発見することが重要です。

インサイトとは、顧客の行動や発言の背後にある本質的な欲求や感情です。例えば「時短調理家電が欲しい」という表面的なニーズの裏には、「家族との時間を増やしたい」「料理のストレスから解放されたい」といった深層心理が隠れています。

インサイトを発見する方法として、以下のアプローチが有効です。

  • 顧客の「不満」「不安」「不便」を徹底的にリストアップする
  • 「なぜ?」を5回繰り返して真の動機を探る
  • 顧客の行動を観察し、言葉にされない課題を見つける
  • 競合商品のレビューやSNSの声を分析する

【STEP3】提供価値(ベネフィット)の言語化

ターゲットとインサイトが明確になったら、次は自社商品が提供する価値を具体的に言語化します。ここで重要なのは、機能的価値情緒的価値を区別することです。

  • 機能的価値: 商品のスペックや性能がもたらす直接的なメリット(例:「軽量で持ち運びやすい」「充電が長持ちする」)
  • 情緒的価値: 商品を使うことで得られる感情や体験(例:「持っているだけで気分が上がる」「自信を持てる」「家族との時間が増えて幸せを感じる」)

優れたコンセプトは、両方の価値を適切に組み合わせて表現します。特に、情緒的価値は顧客の購買意欲を強く刺激するため、単なるスペック訴求にとどまらない表現が求められます。


【STEP4】コンセプトシートへの落とし込み

ここまでの要素を統合し、一文で表現できる形に落とし込みます。以下のテンプレートを活用してください。

(ターゲット) が、(商品・サービス) を利用することで、(便益・ベネフィット) を得られる」

記入例:

「仕事と育児で忙しい30代女性が、10分で完成する本格料理キットを利用することで、家族との食卓時間を増やし、罪悪感なく自分の時間も確保できる」

このテンプレートに沿って記述することで、チーム全体でコンセプトを共有しやすくなり、開発やマーケティングの判断基準が明確になります。


【STEP5】検証とブラッシュアップ

作成したコンセプトが独りよがりでないか、市場で受け入れられるかを確認するフェーズです。社内レビューだけでなく、実際のターゲット層からフィードバックを得ることが重要です。

検証の方法としては、以下のアプローチがあります。

  • 少人数グループへのヒアリング
  • プロトタイプやモックアップを用いた反応テスト
  • SNSでのコンセプト投稿による反応分析
  • テストマーケティングの実施

フィードバックをもとに、コンセプトを磨き上げていきます。この段階で得られた気づきは、商品開発だけでなく、プロモーション戦略にも活かすことができます。


 

4) コンセプトを検証する主な手法

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優れたコンセプトを作っても、それが机上の空論に終わってしまっては意味がありません。実際に市場に出して、顧客の反応を確かめることが不可欠です。

 

従来型の市場調査(アンケート・インタビュー)

アンケートやインタビューは、比較的低コストで実施できる検証手法です。短期間で多くの意見を集められる点がメリットです。

しかし、デメリットもあります。アンケートで「買いたい」と回答した人が、実際に購入するとは限りません。仮想的な質問への回答と、実際の購買行動には大きなギャップがあるためです。また、回答者の本音を引き出すには高度なインタビュー技術が必要です。

 

クラウドファンディングの仕組みを活用したテストマーケティング

近年、新商品のコンセプト検証として注目されているのが、クラウドファンディングの仕組みを活用したテストマーケティングです。Makuakeはクラウドファンディングの仕組みを活かしたサイトとして、単なる資金調達だけでなく、新商品発表の場として多くの実行者に活用されています。

従来の市場調査との違いを、以下の表で比較します。

項目

調査会社によるリサーチ

Makuakeでの応援購入

コスト

固定費が高額(数十万円〜)

変動費(成功報酬型)

期間

2〜4週間程度

1〜5ヶ月(柔軟に設定可能)

データの質

意見・意向のみ

実際の購入データ(応援購入)

ファン獲得

なし

プロジェクト期間中からサポーターコミュニティ形成

Makuakeでの応援購入では実行者がコンセプトを世に問い、サポーターが実際に購入という形で応援します。この仕組みは、「本当に欲しい人」だけが支援するため、最も確実なコンセプト検証になります。

さらに、プロジェクトページへのアクセス数、支援率、サポーターからのコメントなど、多角的なデータが得られます。これらのデータは、本格的な量産や販売戦略を立てる際の貴重な判断材料となります。

加えて、プロジェクト期間中に形成されるサポーターコミュニティは、商品改良のフィードバックや、ローンチ後の初期顧客として、長期的な関係構築が可能です。


 

5)まとめ

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商品コンセプトは、新商品開発の成否を左右する最も重要な要素です。この記事でお伝えした内容を振り返ります。

  • 商品コンセプトとは、「誰に・どんな価値を・どう提供するか」を明確にした顧客との約束である
  • 曖昧なコンセプトは、ターゲットのブレ、チーム内の認識のズレ、顧客への訴求力の低下を招く
  • ヒット商品は、明確なコンセプトによって市場を再定義し、新たな価値を創造している
  • コンセプト作成は、市場調査→インサイト発見→価値の言語化→シート化→検証という5つのステップで進める
  • 作ったコンセプトは、実際の市場で検証し、磨き上げることが不可欠

コンセプトは「作って終わり」ではありません。市場の反応を見ながら、継続的にブラッシュアップしていくものです。テストマーケティングを通じて、顧客の生の声に触れることで、コンセプトはさらに強固なものになります。

アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、多くの実行者とサポーターが出会い、新しい価値を生み出しています。Makuakeはクラウドファンディングの仕組みを活かしたサイトとして、単なる資金調達の場ではなく、「応援購入」という新しい文化を創造しています。



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・新商品を販売開始する前に、Makuakeのトレンドを理解したい方
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