BtoB企業がtoC向け新商品開発の壁を乗り越えるには
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、BtoB(企業向け)事業を展開してきたメーカーが、自社の技術力を活かしてtoC(BtoC、消費者向け)市場に参入する事例が増えています。
しかし、いざtoC事業を始めようとすると「売れるかどうかわからないため、新商品として市場に出す判断がしづらい」という壁に直面する企業が少なくありません。
この記事では、BtoB企業がtoC向け新商品開発で直面する課題と、その壁を乗り越えるための具体的なステップを解説します。
▼目次
1)BtoB企業がtoC新商品開発で直面する「3つの壁」
2)「応援購入」がBtoB企業の新商品開発と相性が良い理由
3)Makuake営業担当が見た「進む会社」と「詰まる会社」の分かれ目
4)「壁」を乗り越えるための4ステップ
5)【事例】BtoBメーカーがtoCブランドを確立した成功事例
6)まとめ:BtoBの「壁」は、パートナーと共に越えられる
1)BtoB企業がtoC新商品開発で直面する「3つの壁」

BtoB企業がtoC新商品開発に取り組む際、さまざまなハードルが存在します。ここでは、3つの壁に分けて紹介します。
【市場の壁】スペックの高さが「顧客の喜び」に直結しない
BtoB市場では製品スペックや技術的な優位性が購買決定の重要な要素ですが、toC市場の消費者は「この商品で自分の生活がどう良くなるか」という体験価値で判断する傾向があります。
そのため、新商品を開発しても市場でどれほど売れるか予測しづらく、需要がわからないまま手探りで進めるしかありません。
さらに、製造業では「試作」と「量産製造」の間に「死の谷」が存在します。大量生産にのせてからでないと効果検証しづらい一方、需要がわからない中で大量生産して在庫を抱えるリスクは非常に大きいのです。

【組織の壁】「前例がない」「費用対効果は?」という社内のブレーキ
新規事業担当者が社内で企画を通そうとしても、「toC市場の実績がない」「投資に見合うリターンが見込めるのか」といった質問に、具体的なデータで答えられないことが多いのではないでしょうか。
経営層や決裁者を納得させる「証拠」がなければ、どれだけ良い商品アイデアがあっても前に進めません。
【販路の壁】自社ECも店舗コネクションもなく、誰に届ければいいか不明
せっかく自社のオンラインストアを構えても、訪問者が安定して増えるまでには時間がかかります。Amazonや楽天市場などのECモールでは有料広告枠が多く、新商品を掲載しても検索されづらい傾向があります。小売店に展開している場合も、販売データから正確に分析するのは難しい現実があります。
2)「応援購入」がBtoB企業の新商品開発と相性が良い理由

こうした課題を抱えるBtoB企業にとって、Makuakeに出品することで「応援購入」を獲得することが、有力な選択肢になります。Makuakeは累計プロジェクト数50,000件以上、累計会員数340万人以上を擁し(2026年3月末までの実績)、「モノを買う」だけでなく「このプロジェクトを応援したい」という動機で応援購入するサポーターが多いことが特徴です。
BtoB企業の「技術力」が「ストーリー」になる
BtoB企業が持つ「○○年の技術を結集した」「業界で唯一の製法で作った」といったストーリーは、サポーターの心を動かす強力な要素になります。スペックや価格だけでなく、商品の背景にあるストーリーに価値を感じて応援購入する人が多くいます。
量産前に市場の反応を確かめられる
Makuakeでは、サンプル品(プロトタイプ)が完成していて量産体制があれば、量産前の段階でもプロジェクトを開始できます。「予約販売」に近い形で、応援購入状況に応じて生産を進められるため、在庫リスクを抑えながら新商品をデビューさせることができます。
好奇心旺盛なユーザーが回遊している
Makuakeでは、アタラシイもの・面白いものを探してウィンドウショッピング感覚で回遊するユーザーが多いため、キーワード検索なしでも新商品の認知拡大が見込めます。過去1年以内に応援購入実績があるサポーターによる購入割合は76%以上と、ユーザーの定着率が非常に高いのも特徴です。
3)Makuake営業担当が見た「進む会社」と「詰まる会社」の分かれ目

3つの壁の越え方に進む前に、ひとつ押さえておきたいことがあります。同じようにtoC参入を目指しても、商談からMakuakeプロジェクトの実施までスムーズに進む会社と、途中で止まってしまう会社があるということです。その差は、商品の良し悪しよりも、準備の状態と相談のタイミングに表れます。
話が進みやすい会社に共通する3つの状態
Makuakeの新規実行者を担当する営業の現場では、話が前に進みやすい会社にいくつかの共通点が見えています。
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状態 |
どんな会社か |
なぜ進みやすいのか |
|---|---|---|
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良いものは作れるが、売り先がない |
技術や品質に自信はあるが、消費者への届け方を持たない |
「発売前に反応を確かめる」価値がそのまま課題解決になる |
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ECモールでの販売経験がある |
楽天・Amazonなどでの販売を経験している |
価格競争の外で選ばれる場の意味が、実感として伝わりやすい |
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意思決定者が早期に関与している |
社長・役員や、企画・営業の責任者が早くから関わる |
判断が速く、社内承認の段階で止まりにくい |
3つ目は特に重要です。現場の担当者がどれだけ前向きでも、決裁に近い人の関与が遅れると、最後の社内承認でひっくり返ってしまうことがあります。逆に、早い段階から意思決定者が関わっている会社は、目的の共有ができているため、実施まで一気に進みます。
「詰まる会社」は、たいてい同じところでつまずく
一方で、toC参入を志しながら実施まで到達できないケースには、いくつかの典型パターンがあります。多くのパターンは売り方そのものではなく、準備と相談のタイミングに原因があります。
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つまずきの型 |
起きていること |
回避の方向性 |
|---|---|---|
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相談が遅すぎる |
翌月に一般販売が決まっているなど、すでに動き出した後に相談に来る |
構想段階で、発売前提の選択肢として早めに検討に入れる |
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準備が整っていない |
商品・価格・販路が何も決まっておらず、試作品しかない |
コンセプトと、手数料を踏まえた価格の方向性を先に固める |
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社内承認で止まる |
現場は前向きでも、決裁段階でひっくり返る |
早い段階から意思決定者を巻き込み、目的を共有しておく |
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目的が「資金集め」に偏る |
高すぎる目標額を掲げ、商品本来の価値とずれてしまう |
新規顧客の獲得や市場の反応確認など、目的を具体化する |
【注意点】つまずきの多くは「もっと早く知っていれば」という、時間の問題です。商品やコンセプトがまだ何も固まっていない段階では、検討を前に進めること自体が難しくなります。まずは自社の中で、何を・誰に・いくらで届けたいのかの方向性を整理することが、最初の一歩になります。次の章では、この整理を具体的に進めるための4つのステップを紹介します。
4)「壁」を乗り越えるための4ステップ

Step1:自社技術を「生活者の悩み解決」に翻訳する
自社の技術や強みを「消費者にとっての価値」に翻訳することが最初のステップです。
例えば、「高精度な金属加工技術」をそのまま訴求しても消費者には響きませんが、「プロの料理人が使う道具と同じクオリティで、家庭でも本格的な料理が楽しめる」と伝えれば価値が伝わります。
この「翻訳」を言語化する際には、商品コンセプトを明確に設計することが重要です。Makuakeのキュレーター(専門スタッフ)が、この翻訳作業を伴走します。
Step2:市場の反応を可視化し、社内承認の武器にする
Makuakeでプロジェクトを実施すると、「Makuake Analytics」でプロジェクトページ(LP)のPV、応援購入総額、サポーターの属性情報(男女比、地域、年齢、職業など)などの数値を確認できます。このデータは社内の決裁者を説得する強力な「証拠」になります。

女性比率が高ければ女性向け商品を扱う百貨店に営業する、などといったデータに基づいた意思決定が可能になります。また、活動レポートや応援コメントに書き込まれたコメントからサポーターの「生の声」も確認でき、次の商品開発につなげることができます。
Step3:在庫リスクを抑える「受注生産」モデルの構築
応援購入に応じて生産を進める「受注生産」に近い形態を取れるため、需要予測が難しい新商品でも在庫リスクを最小限に抑えられます。想定より応援購入が集まらなかった場合でも、大きな損失を出すことなく商品の改良に活かすことができます。
Step4:サポーターの声をもとに一般販売の戦略を練る
Makuakeで得られたデータとサポーターの声は、一般販売に向けた戦略立案の貴重な材料になります。さらに、Makuakeでの実績自体が小売店や流通の交渉で、強力な武器になり、新規取引先の開拓においても大きなアピール点となります。
一般販売に向けたプロダクトローンチ戦略や、効果的な宣伝方法についても、事前に検討しておくとスムーズです。
5)【事例】BtoBメーカーがtoCブランドを確立した成功事例
ここからは、実際にMakuakeを活用してtoC市場への参入に成功した事例を紹介します。
事例1:EC価格競争から脱却し、2,000万円超を達成した新潟の家電メーカー

新潟の三ツ谷電機株式会社は、ECを20年以上運用する中で価格競争に頭打ち感を感じていました。「水も火も不要でご飯&レトルト食品が作れるポータブルレンジポーチ」をMakuakeで発表したところ、約2,180万円の応援購入、1,558人のサポーターを獲得。「価格の安さより商品の面白さに重点を置いて検討してくれるユーザーが多い」というMakuakeの特性を活かした成功例です。
ポータブルレンジで2000万円達成|新潟家電メーカーの独自商品戦略
事例2:複数回実施でブランドを育てた「ほりにし」

キャンプやアウトドアの際に、一つのスパイスでどんな食材にも合うオールマイティスパイスを目指して開発された「ほりにし」。新商品のデビューの場として複数回Makuakeを活用し、ユーザーの声を拾いながら味のバリエーションを展開。プロジェクトを「点」ではなく「線」としてつなげることで、ブランドを育てていった成功事例です。

事例3:エネルギー企業が、既存技術を「暮らしの体験」に変えた岩谷産業

産業用ガスなどBtoBが事業の大きな割合を占める総合エネルギー企業・岩谷産業株式会社は、カセットガス式のインテリア暖炉「MYDANRO(マイダンロ)」をMakuakeで発表し、追加募集を含め合計約3,600万円の応援購入を獲得しました。
注目したいのは、すでに広く普及しているカセットガスという既存技術を、「暖める」ための道具ではなく「炎のゆらぎを眺めて癒される」というインテリア体験へと再定義した点です。工事や設置スペースの心配がなく手軽に導入できる設計が、暖炉への憧れと導入のハードルの間にあった溝を埋めました。Makuakeでの反響を受け、MYDANROはその後、一般販売へと展開しています。
新しい技術を一から開発しなくても、手元にある技術や素材を新しい用途・体験の文脈に置き換えることで、消費者にとっての価値が生まれる。発売前に市場の反応を確かめ、その結果を一般販売の判断材料にできる点も、テストマーケティングとしての好例です。
関連記事:総応援購入3,600万円、サポーター1,400名超。岩谷産業「MYDANRO」に学ぶ、既存技術を"暮らしの体験"に変換するMakuake活用術
6)まとめ:BtoBの「壁」は、パートナーと共に越えられる
BtoB企業がtoC向け新商品開発で直面する「市場の壁」「組織の壁」「販路の壁」は、決して乗り越えられないものではありません。
重要なのは、自社の技術力を「消費者にとっての価値」に翻訳し、リスクを最小限に抑えながら市場の反応を確かめ、そのデータをもとに社内外を説得していくことです。そして、進む会社と詰まる会社を分けるのは、商品の良し悪し以上に、相談と準備のタイミングでした。構想段階の早いうちから検討に入り、意思決定者を巻き込んでおくこと。これが、ハードルを下げる最初の一手になります。
累計50,000件以上のプロジェクト支援実績から生まれたノウハウと、340万人以上の「アタラシイものを探している」サポーター。この両方を味方につけることで、BtoB企業のtoC進出は、より現実的な選択肢になります。
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、多くの実行者とサポーターが出会い、新しい価値を生み出しています。Makuakeはクラウドファンディングの仕組みを活かしたサイトとして、単なる資金調達の場ではなく、「応援購入」という新しい文化を創造しています。
初めての方も安心して取り組めるよう、プロジェクト設計から実行まで専門スタッフがお手伝いします。まずは無料の資料請求をぜひご覧ください。
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