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メディアリレーションとは? 取材・メディア掲載を獲得する5つのやり方とMakuake事例

アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、近年クラウドファンディングの仕組みを活かしたテストマーケティングの事例が多数を占めています。多くの実行者がMakuakeを新商品発表の場として選んでいます。

しかし、「良い商品を作っても、知られなければ支援は集まらない」——これは多くの実行者が直面する現実です。広告費をかけずに商品の認知を広げたい、テレビや新聞に取り上げられた実績が欲しい、プロジェクト開始時の「初速(スタートダッシュ)」を最大化したい。こうした課題を解決するカギとなるのが、メディアリレーションです。

この記事では、専任の広報担当がいない実行者でも実践できるメディアリレーションについて、その概要から具体的なアプローチ方法、成功のポイント、そして実際の事例まで、幅広く解説します。

 
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Makuakeトレンドメルマガでは、Makuakeの売れ筋商品・サービスをランキング形式で毎週月曜朝にお届けします。ぜひ、このメールマガジンを貴社の商品開発や出店・出品計画の参考情報としてお役立てください。

【このような方におすすめ】
・新商品を販売開始する前に、Makuakeのトレンドを理解したい方
・季節やニーズのトレンドを商品開発やマーケティングに役立てたい方

 

1)メディアリレーションとは?広告との違いと重要性

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メディアリレーションとは、テレビ、新聞、雑誌、Webメディアなどの記者や編集者と良好な関係を築き、情報の架け橋となる広報活動のことです。

単にプレスリリース(報道関係者向けの公式発表文書)を一方的に送るのではなく、メディアが求める「ニュースバリューのある情報」を提供し、継続的な信頼関係を構築していくことがポイントになります。

 

広告と広報(メディアリレーション)の違い

広告と広報は混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。以下の表で整理してみましょう。

項目

広告

広報(メディアリレーション)

コスト

媒体費用が発生(高額になりやすい)

基本的に掲載費用は無料(人件費のみ)

信頼性

「お金を払った情報」と認識される

第三者(メディア)による掲載として高い信頼を得られる

コントロール性

掲載内容・タイミングを完全にコントロールできる

掲載可否・内容はメディアの判断に委ねられる

効果の持続性

出稿期間中のみ

記事として残り、二次拡散も期待できる

 

広報活動による露出は「広告換算価値」という指標で評価されることもあります。これは、同じ露出を広告で買った場合にいくらかかるかを算出したものです。テレビや全国紙への掲載は、数百万円から数千万円の広告換算価値になることも珍しくありません。

Makuakeのプロジェクトがメディア露出すると応援購入(コンバージョン)に直結しやすい傾向があります。第三者であるメディアが「これは面白い」「これは価値がある」と判断して取り上げた情報は、広告よりも圧倒的に信頼されやすいためです。

「広告費をかけずに話題になりたい」「Makuakeの実績をきっかけに販路を広げたい」という方にとって、メディアリレーションはやらなくてもいいオプションではなく、成功確率を上げるための必須アクションと言えます。

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2)メディアリレーションのための5ステップ

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ステップ1)メディアリレーションの土台となる戦略策定とターゲットメディアの選定

最初に行うことは、自社の商品やサービスがどのメディアに合っているかを見極めることです。無差別に数百のメディアにプレスリリースを送っても、成果が出ないばかりか、「またこの会社か」と敬遠される原因にもなります。


【メディア選定のポイント】

  • 自社商品と似たジャンルの記事を普段から書いている記者をリストアップする
  • 記名記事(記者の名前が入った記事)をチェックし、その記者の関心領域を把握する
  • テレビ向き(映像映えする商品)か、Web・活字メディア向き(詳細な説明が必要な商品)かを判断する
  • 地方発の商品であれば、まず地元メディアからコンタクトをとる戦略も有効

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ステップ2)ニュースバリューの整理(ファクトブック作成)

メディアが求めているのは「宣伝」ではなく「社会にとって有益な情報」です。商品の機能や価格を羅列するだけでは、記者の心は動きません。自社の情報を「ニュース」として切り取る視点が必要です。


【ニュースバリューを高める要素】

  • 新規性:業界初、日本初、世界初などの「初めて」の要素
  • 社会性:環境問題、地域課題、働き方改革など社会テーマとの接点
  • 意外性:異業種参入、予想を裏切る組み合わせ
  • ストーリー性:開発秘話、創業者の想い、困難を乗り越えた経験
  • 数字のインパクト:○○%削減、○万人が利用など具体的な数値

Tips:Makuakeのプロジェクトページ自体が「ファクトブック」の役割を果たします。商品の特徴、開発ストーリー、スペック、画像・動画素材がすでに整理されているため、記者への情報提供にそのまま活用できます。

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ステップ3)メディアリレーションを機能させるプレスリリースの作成と配信

 

プレスリリースは、報道関係者に向けた公式の発表文書です。記者は1日に数百通ものリリースを受け取るため、「タイトル」と「メイン画像」の第一印象で読むかどうかを判断します。


【プレスリリースの基本構成】

  1. タイトル:30〜40文字程度。ニュースバリュー(新規性・社会性)を端的に表現
  2. リード文:5W1Hを含む要約(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)
  3. 本文:詳細情報、背景、担当者コメントなど
  4. 画像・資料:高解像度の商品画像、図表、データなど
  5. 会社概要・問い合わせ先:会社名、所在地、担当者名、連絡先

ステップ4)メディアリレーションの核となるメディアアプローチの実施

ここがメディアリレーションの「核」となる部分です。プレスリリースを配信サービスで一斉送信するだけでは、大量のリリースに埋もれてしまいます。狙ったメディア・記者に対して、個別のアプローチを行うことが重要です。


メールアプローチのポイント

テンプレートの一斉送信ではなく、「なぜあなた(その記者)に送ったか」を1行添えることで、開封率・返信率が大きく変わります。

  • 過去にその記者が書いた記事に言及する
  • その記者の関心領域と自社商品の接点を明示する
  • 長文は避け、要点を3行程度に収める

電話アプローチのポイント

  • 締め切り前後(一般的に夕方以降)は避ける
  • 最初の15秒で用件を簡潔に伝える
  • 「お忙しいところ恐れ入ります」などのクッション言葉を忘れずに

郵送・キャラバン(訪問)のポイント

実物を触ってもらうことで、記事の熱量が格段に上がります。特にガジェットや食品など、五感に訴える商品は実物提供が効果的です。訪問(キャラバン)は記者との関係構築にもつながります。

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ステップ5)メディアリレーションを資産にする掲載後のフォロー

掲載されたら終わりではありません。掲載後のアクションが、次の取材機会につながります。

  • お礼メールを送る:記事のURLを添えて、翌営業日までに送付
  • SNSで拡散する:記者や媒体のアカウントをメンションして感謝を伝える
  • 掲載効果を報告する:「記事掲載後、支援が○○%増加しました」など具体的な成果を共有
  • 次のネタを提供する:プロジェクト達成時、新展開時などの続報を積極的に提供
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3)【実践編】メディアリレーションで使えるアプローチの具体例

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ここからは、実際にそのまま使えるレベルの具体例をご紹介します。


メール件名・本文の具体例

【NG例】

件名:新商品発売のお知らせ

→ ありきたりな件名では記者の興味を引けません。数百通のメールに埋もれる可能性が高いです。


【OK例】

件名:【業界初】廃棄野菜を活用した○○がMakuakeで先行販売開始(取材のご相談)

→ 「業界初」(新規性)、「廃棄野菜」(社会性)、「Makuakeで先行販売」(具体性)が含まれており、記者の目に留まりやすくなります。


【本文例】

○○新聞 経済部

△△様

突然のご連絡失礼いたします。株式会社○○の広報担当・□□と申します。

先日拝読した「○○市の食品ロス削減の取り組み」の記事が大変印象的で、

△△様に弊社の新しい取り組みをご紹介したくご連絡いたしました。

弊社では、地元農家で廃棄されていた規格外野菜を使用した

新商品「○○」を開発し、12月1日よりMakuakeにて先行販売を開始します。

地域の食品ロス問題の解決に貢献する取り組みとして、

もしご関心がありましたら、詳細をご説明させていただければ幸いです。

(以下略)


電話でのトークスクリプト例

最初の15秒で切られないためのトーク構成例です。

「お忙しいところ恐れ入ります。株式会社○○の□□と申します。

先日メールでもご連絡させていただいたのですが、

廃棄野菜を活用した新商品についてのご案内です。

1分だけお時間をいただくことは可能でしょうか?」

(OKをもらえたら)

「ありがとうございます。弊社は○○県で規格外野菜を使った

加工食品を開発しておりまして、今回Makuakeで先行販売を行います。

年間○トン廃棄されていた野菜を活用することで、

地域の食品ロス削減に貢献できると考えております。

もしご関心があれば、サンプルをお送りすることも可能ですが、いかがでしょうか?」




4)Makuake実行者のメディアリレーション成功事例

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「本当に効果があるのか?」という疑念を払拭するため、実際の成功事例をご紹介します。

 

事例1:キヤノンマーケティングジャパン|100以上のメディア掲載を実現

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【基本情報】

  • 企業名:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
  • 商品:自動撮影カメラ「PowerShot PICK」
  • 応援購入総額:4日で1億円達成
  • メディア掲載:100以上のメディアに掲載

 

【成功の要因】

従来のCanon商品は「撮るヒトにとっての価値」を訴求していましたが、自動撮影という新しいコンセプトの商品では、従来の伝え方が通用しませんでした。

そこでMakuakeとの協働により、「思い出フォトグラファー」というコンセプトに再定義。この明確なコンセプトがメディアにも伝わりやすく、プロジェクト公開後、100以上のメディアから取材依頼が殺到しました。

特筆すべきは「Makuake実績→メディア掲載→さらに取材依頼」という「話題の循環」を実現した点です。応援購入者の約半数がCanon商品を初めて購入する新規ユーザーだったことからも、メディア露出が新規顧客層に届いたことを証明しています。

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事例2:FOOD CORNER|認知ゼロからメディア掲載・BtoB販路を開拓

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【基本情報】

  • 企業名:FOOD CORNER
  • 商品:食品添加物不使用のカレーフレーク「Craft Curry Brothers」
  • 応援購入総額:約350万円(カレー関連の歴代記録更新)
  • サポーター数:561名

【成功の要因分析】

事業立ち上げ直後で認知度がほぼない状態からスタート。実は、Makuake実施前にもいくつかのメディアにアプローチしていましたが、実績がないため取り上げてもらえませんでした。

しかし、Makuakeで「カレー関連の歴代記録更新」という実績を作ったことで状況が一変。「Makuakeで話題」という客観的な評価がつくことで、メディアや企業からの問い合わせが増加し、BtoB取引の拡大にもつながりました。

「Makuake実施前はメディアへのアプローチがうまくいかなかった。しかしMakuakeで実績を作り、話題化できたことで、BtoBでのお取引も着実に増えている」と語っています。

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5)メディアリレーションを成功させる3つのコツ

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最後に、メディアリレーションを成功に導くためのコツを3つお伝えします。

 

コツ1:Giveの精神を持つ

メディアリレーションは一方的に「掲載してください」とお願いする活動ではありません。「あなたの読者・視聴者にとって価値のある情報を提供します」というGiveの姿勢が基本です。記者は常に「面白いネタ」を探しています。その手助けをするパートナーの立ち位置を得ることで、継続的な関係が築けます。

 

コツ2:タイミングを意識する

Makuakeプロジェクトの場合、開始「前」の仕込みと、開始「直後」のスタートダッシュ時期がカギになります。プロジェクト公開の2〜3週間前からメディアへの情報提供を開始し、公開日に合わせて記事が出るように調整するのが理想です。初速で勢いをつけることで、「注目されているプロジェクト」という認知が広がり、さらなる応援購入の獲得につながります。

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コツ3:断られても諦めない

掲載可否は、ネタの良し悪しだけでなく、タイミングや紙面(サイト)の空き状況にも左右されます。今回断られたからといって、その記者との関係が終わるわけではありません。丁寧にお礼を伝え、次のネタでまたアプローチする。この継続が信頼関係を作り、将来の取材獲得につながります。

 

6)よくある質問(FAQ)

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Q. メディアリレーションと広告の違いは何ですか?

広告は媒体費用を支払って掲載枠を「買う」活動で、内容やタイミングをコントロールできます。一方、メディアリレーション(広報・PR)は記者や編集者との関係構築を通じて「取り上げてもらう」活動です。費用は基本的にかかりませんが、掲載可否はメディア側の判断に委ねられます。その分、第三者による掲載として高い信頼性が得られるのがメリットです。

 

Q. メディアリレーションは広報担当がいない会社でもできますか?

はい、可能です。実際、Makuakeで成功している実行者の多くは、専任の広報担当を置いていません。本記事で紹介した5つのステップ(戦略策定→ファクトブック作成→プレスリリース→メディアアプローチ→フォロー)を一つずつ実行すれば、経営者や兼任担当者でもメディア掲載を獲得できます。まずは1社、1人の記者へのアプローチから始めてみてください。

 

Q. Makuakeのプロジェクトでは、いつからメディアにアプローチすべきですか?

プロジェクト公開の数週間前(2〜4週程度)からメディアへの情報提供を開始するのが理想です。公開日に合わせて記事が出るように調整することで、スタートダッシュ(公開直後の盛り上がり)を最大化できます。Makuakeでは初動で応援購入が集まっているプロジェクトに注目が集まりやすいため、メディア露出と初速の相乗効果が生まれます。

 

Q. メディアリレーションでよくある失敗例は?

最もよくある失敗は、「宣伝」目線のアプローチです。メディアが求めているのは「社会にとって有益な情報」であり、「うちの商品を取り上げてください」というお願いではありません。また、無差別に数百のメディアに同じメールを送る「ばらまき」も効果が低いだけでなく、敬遠される原因になります。ターゲットメディアを絞り込み、「なぜあなたに送ったか」を1行添えるだけで、反応率は大きく変わります。


 

7)まとめ

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メディアリレーションは、一朝一夕で成果が出るものではありません。しかし、一度築いた記者との関係や、メディア掲載の実績は、長期にわたって活きる「資産」になります。

本記事でご紹介した5つのステップを参考に、まずは1社、1人の記者へのアプローチから始めることをおすすめします。「良い商品を、必要としている人に届ける」——その架け橋となるのがメディアリレーションです。

Makuakeでの新商品デビューを成功させるため、ぜひ広報活動にも力を入れてみてください。

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アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」では、多くの実行者とサポーターが出会い、新しい価値を生み出しています。Makuakeはクラウドファンディングの仕組みを活かしたサイトとして、単なる資金調達の場ではなく、「応援購入」という新しい文化を創造しています。

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